「羅生門パロディは笑った」映像研には手を出すな! といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
羅生門パロディは笑った
テレビアニメ版がかなり話題になっていたので昔から『映像研には手を出すな!』は気になっていました。映画が公開された時も観に行こうか悩みましたが「劇場版はテレビドラマ版の続編」と聞き、テレビドラマ版を未鑑賞だったので結局映画も観に行くことはありませんでしたが、最近アマプラでドラマ版を全話鑑賞し終わったので映画版もDVDをレンタルして鑑賞しました。
結論としては、結構楽しめました。
テレビドラマ版以上にメタ発言やパロディがてんこ盛りだった気がします。序盤にドラマ版未視聴の人のための振り返りを約20分やってから約90分の本編に移る感じでしたが、冒頭の20分の振り返りもドラマ鑑賞済みの人が飽きないような工夫はちゃんとされていたと思います。後半の展開は伏線回収やアクション的な要素もあって結構面白く観ることができました。勢いで押し切っている部分もありますので完璧な作品かと問われれば決してそうではありませんが、観る価値のある映画だったように感じます。
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湖に面した自由な校風の芝浜高校は、生徒の自由を重んじるばかりに部活動の数が増えまくり、数百の部活動が存在するという独特な高校であった。アニメ監督の才能があるが極度の人見知りである浅草みどり(齋藤飛鳥)、両親が俳優で自身も読者モデルをしているが隠れオタクのアニメーター志望である水崎ツバメ(山下美月)、アニメには興味は無いがスケジュール管理と金勘定は誰より得意である金森さやか(梅澤美波)。一年生として入部した3人はそれぞれの事情から既存のアニメ研究会に入部するのではなく「映像研究同好会」という新たな部を設立してアニメ制作を行っていた。しかし、増えすぎた部活動を減らすために生徒会による「部活動統廃合令」が施行され、映像研もその標的とされてしまった。
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冒頭いきなり始まる黒澤明監督の名作映画『羅生門』のパロディ。爆笑しました。本作は主演の三人が乃木坂46のメンバーなので「アイドル映画」の毛色が強いですし、テレビドラマからの劇場版なので映画ファンよりもテレビドラマファンがメインターゲットだと思うんですけど、一体この映画観た人のうちの何割が「羅生門パロディだ」って気付けたんでしょうかね。他の方のレビューを観る限りでは気付いてない人も多そう。
羅生門以外にも「はじめてのおつかい」パロディとかもあって、結構笑わせてもらいました。多分私が気付いていないパロディもあるんじゃないかと思います。独特なノリと笑いがある映画なので個人的に苦手とするジャンルではあるんですけど、本作はなかなか面白かったと思います。
冒頭にドラマ版のおさらいはあるんですけど、ドラマの内容全てを20分で説明することは流石に難しいと思いましたね。上水道部と下水道部の関係性とかは多分ドラマ観てないと分からない気がしました。私はドラマ観てから映画版観たので、映画しか観てない方の意見も聞いてみたいところです。
CGによる演出はドラマ版と比べてレベルが上がっていたように感じます。迫力のある映像だったので、「映画館で観るべきだったな」とちょっぴり後悔するほどでした。
細かいツッコミどころや不満点があるのは否定できませんが、観る価値のある面白い映画だったと思います。オススメです。