「個性豊かな電撃3人娘」映像研には手を出すな! おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
個性豊かな電撃3人娘
原作未読ですが、テレビアニメですっかりハマり、ドラマ版も視聴した上で鑑賞してきました。映像研との久しぶりの再会で、しっかり楽しませてもらいました。
本作の魅力は、なんといっても映像研の個性豊かな電撃3人娘!アニメ版の方がキャラがしっかり立っていますが、実写版もなかなかどうして、乃木坂の3人がそれぞれのキャラの特徴をよく理解して好演しています。
そしてもう一つの魅力は、映像表現。設定厨の浅草氏の空想が、実景に可視化され、そこに新たなアイデアが加わり、どんどんリファインされ、最終的には躍動感あふれる動きを見せます。そんな映像表現は、アニメ版に勝る実写版ならではの魅力で、本当に目を楽しませてくれます。ただ、三人が描きたいのはあくまでアニメなので、CGロボの登場にはやや違和感を覚えました。あそこもアニメのほうがよかったし、そういうシーンがもっとたくさん見たかったところです。
ストーリーは、大生徒会にその存在を認めさせようとする映像研の3人の奮闘ぶりを描くというもので、テレビドラマ版の延長線上にあります。冒頭で生徒会長自らがこれまでのおさらいをしてくれるので、初見の方でもそれなりに理解できると思います。でも、テレビドラマ版視聴後の鑑賞のほうが断然楽しめるのはいうまでもありません。
また本作では、いつもの映像研VS大生徒会の構図に、ロボ研、ツバメの両親、台風等を絡めて伏線を張り、終盤で一気に回収しているところもなかなかよかったです。特にクライマックスからラストにかけては、不覚にもちょっとだけ目頭が熱くなってしまいました。できれば、浅草や水崎がどれほどの熱さでアニメを愛し、どれほどのこだわりをもってアニメを製作しているのか等、人物をもっと掘り下げていれば、ラストはさらに感動的になったのではないかと思います。
その他に気になる点としては、不要なシーンでいたずらに尺を伸ばし、全体的にテンポを悪くしてしまっていると感じられたことです。また、たまたま自分が見たスクリーンのせいかもしれませんが、人物が怒鳴り散らすシーンのセリフが聞き取りにくいことが多いのも残念でした。まあ、いろいろと不満も述べましたが、それでもドラマ版を楽しめた方なら、観ても損はないと思います。
最後に一言。浅草氏と金森氏がかわいすぎます!これこそ客寄せパンダでしょう!