「中華人民共和国の映画なので、もちろん検閲は経ているのでしょうが、このような宗教色の強い表現が特に弾圧されることもなく淡々と描かれ、日本にたどり着いたという事実に、ある意味、認識を改めさせられました。」羊飼いと風船 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
中華人民共和国の映画なので、もちろん検閲は経ているのでしょうが、このような宗教色の強い表現が特に弾圧されることもなく淡々と描かれ、日本にたどり着いたという事実に、ある意味、認識を改めさせられました。
草原で牧畜を行うチベット族の一家の生活を淡々と描いた作品です。
ストーリーは、あって無きがごとしでして、その点についての期待は早々に捨てるしかありませんでした。
この映画を通して現代のチベット事情を味わうという面でなら、意味のある作品だと思います。
西側報道では弾圧され尽くしているとされるチベット仏教が生活の中でまだまだ重要な役目を果たしていることや、そもそも映画がチベット語によって作られている、すなわち一定レベルでチベットの文化が尊重されているという事実を西側に訴えたいのかも知れません。
2014年に一人っ子政策は終わった中国ですが、やはり何人も子供を抱えることには罰則があるのだということや、コンドームは無料配布されるものだが、なかなか品薄で貴重な品物なのだということなどを伝えたいのかも知れません。
ま、それはそれとして、情報を捉えるための材料としてなら評価できるのですが、映画そのものとして捉えるなら、あんまり高い評価はできないな、というのが正直なところでした。
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