「ドキュメンタリーかと思うほど。」羊飼いと風船 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーかと思うほど。
チベット映画初めてです。興味津々で鑑賞しました。
まず、土地柄?景色のせい?
いやいや、雄大な作品でした。
ストーリーも映像も人物も大河のように緩やかだけど強い。大らかな空に抱かれて生活するその様は憧れすら感じるほどでした。
人間の生死の隣に生き物の生死があり、大きく流れる民族の歴史、文化の大河のながれはありますが、ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。時代というものが大河に横たわりはじめます。
変わるもの変わらないもの。
変わる必要はある?ない?
日常を描きながら移りゆく生活やその背後にあるものを
切り取り、これは、これだけは変わっちゃいけない変わらないで欲しい、そんな作り手の魂を感じる作品でした。
ハンディカメラ多用だから?ワンカメショットが多いから?演者が素晴らしいから?
本作、ドキュメント見てる気がしました。
いやー。びっくりです。
特に、母親役の女優さん良かったなー。
ラストシーンは秀逸です。
オープニングからのうまい回収にもなってます。
(政策のシンボル的にうまく使ってますよね、アレを)
僕としては、どんな強い時代の風が吹こうがどこまでもどこまでも昇って行って欲しい。しなやかで強い魂として。
どこまでもたくましく。
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