劇場公開日 2024年4月20日

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「昭和時代のいわゆる原始的ノワールを見たいなら。」辰巳 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5昭和時代のいわゆる原始的ノワールを見たいなら。

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年166本目(合計1,258本目/今月(2024年4月度)40本目)。
(前の作品 「夢の中」→この作品「辰巳」→次の作品「コーヒー・シガレッツ」)

 どなたかも書かれていましたが、リアル日本ではいわゆる暴対法の制定で当事者を描くような映画があまりつくられなくなり(それよりも前の「仁義なき戦い」くらいは例外か)、実際に組の解散届を受理する警察署や、脱退を希望するものへの就職の手助けなど「組織に対する考え方の厳しさと同様に、組織から出たいと思う人への手の差し伸べ」が現在では両立して存在しますので、この映画でいう「原始的ノワール」は、あたかも暴対法よりも前の、本当に珍しいタイプかな、といったところです。

 その関係で「こういう類の映画」の中では一味違う部分があるのが確かで(令和6年の今日で、ここまで原始的ノワールものも(復刻上映を除けば)珍しいと思う)、そこが魅力なのかな、といったところです。

 ただそのことは「ストーリーを追いにくい」ことも意味しますし、若干「あってもなくてもどちらでもいいのでは」と思える部分もあります。

 個人的には「実際の活動と娯楽産業は別」と考えているので、「娯楽産業においては」こうしたものは描かれて良いと思うし、それが表現の自由や思想良心の自由ほかに繋がるものですし、そこはあまり気にしないほうです。

 一応、R15指定の扱いですが、一部に残酷な表現ほかが見られるというもので、アダルトシーンはなく(ゼロだったはず)、PG12でモザイクがかかったり「こりゃきついな」といった「オーメン」よりは見やすく、「この手のノワールもの映画」で「原始的な作品」を見たいならおすすめといったところです(R15としては比較的表現は緩和されている)。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/事務管理に関する考察が雑)

 事務管理の管理者は、本人の意思がわかるか推知できるときには、それに従う必要があります(697以下)。この場合、そのそれは明確に「病院に連れて行く」であり他ではなく、この部分はまずいのではないかと思えます(そして病院、診療所も、いわゆる「関係者」だからといって医療を拒否もできません)。

 (減点0.2/通謀虚偽表示に関する考察が雑)

 通謀虚偽表示の相手方はそれを無効とみなすことも対抗することも可能です。相手方からの転得者も同様です(絶対的構成説、判例)。また、明確な通謀がなくてもそれに匹敵する場合(あえて知った上で放置する等)は、94条の趣旨が類推適用されます(判例/外観法理のこと)。

 この部分の解釈が雑なので、有利に解釈すればうまくいく側がうまくいっていないなどヘンテコな部分がいくつかあります。

 ※ 94条の通謀虚偽表示に対して、93条の心裡留保(一人で勝手に嘘をつくこと)を対比させる意味で「単独虚偽表示」ということがあります。

 (減点0.2/墓地埋葬法に関する考察も雑)

 墓地埋葬法は勝手な埋葬を禁止しています。これと刑法の死体遺棄罪は別の話なので(刑罰法規に問われたら行政法規が免責されるとか、逆の関係にならない)、その部分もかなり微妙です(ただ、墓地埋葬法は道徳的な意味合いが強いのも事実ではありますが、戦後の数多い行政法規の判例が積み重なっている法律としては、道路交通法なみに多いです)。
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yukispica