雪暴 白頭山の死闘のレビュー・感想・評価
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金鉱にインゴット?
見ている者の血も凍るほど.....寒そう?
デンマークの国から映画や芸術に関する功績から勲章を授与されている俳優マッツ・ミケルソンが2018年制作の映画「残された者 北の極地」での映画のプレスリリースでのコメントをこの映画を鑑賞後に思い出す。その言葉とは…
「ハードだったから見た目をハードにする必要はなかった」と。
映画の全編を通して、雪・雪・雪と何年分かの雪を見たつもりにさせてくれるほどの雪を見たような下世話なことを言ってしまいたくなるほどの雪。すみません。雪国の方。特に後半のワン捜査官と強盗団の首領との格闘の場面は、それを盛り上げるように徐々に猛吹雪自体が両者の戦いに味を添えている。
しかし、そのことが反ってシナリオのプロットポイントのチグハグさや物語の進行具合のスムーズさに関しては、ブレーキをかけ、足を引っ張る原因を作っていることになってしまっている。映画の前半で金塊輸送車を強盗団が襲う場面は平たんな雪道を舞台にしていたのでスムーズに見ることが出来たが、場面がいったん雪山に舞台が変わった瞬間から流れがすごく悪くなる印象となっている。しかもGCIの曖昧さは?
美術的に血のりの色がペンキのような真っ赤かであったり、メーキャップの質感が中国古舞踏劇とまでとは言わないけれどもやり過ぎ感丸出しのところは首をかしげたくなるほどの違和感を感じてしまう。
前半と後半の山小屋でのソリッドシチュエーションでの撮影になってからは、映画を撮りやすくなったのかスムーズに話が進み見ている方としても分かりやすい感じになっていた。
エンドロール・クレジットが始まると晴れやかな緑いっぱいの山々が出てきて、この映画の重苦しい場面の連続から一気に解放された気分とさせてくれている。
雪山を舞台にしたガチンコの男同士の死闘を見たい人には、この映画をお勧めできるかもしれない。
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