「脚本が良いミステリー」カット/オフ Nightwalkerさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本が良いミステリー
ドイツ産ミステリー映画。
解剖した遺体からメッセージが書かれた紙が出てきたシーンで「これは『ジェーン・ドウの解剖』のようなオカルト物か!?」と思ったら、普通にクライムミステリーだった。
「誰が?」「何の目的で?」という謎が徐々に明らかになっていく脚本が良く出来ている。
全体的に伏線や人間関係が複雑だが、それをラストに向かって1本の線にまとめあげる手腕は同じドイツ産の『DARK/ダーク』にも通じる物があり、じっくりと鑑賞するのに向いている。
絵作りは北欧映画のように重厚で寒々とした感じ。アメコミ映画でいえばザック・スナイダーのような色味が近い印象。
主人公の検死官ポールを演じるモーリッツ・ブライブトロイもいけ好かない所がありながら味があり、巻き込まれ型ヒロインのリンダを演じるヤスナ・フリッツィ・バウアーも事件を通して強い女性に変わっていく姿を好演している。
こういう過去に公開された面白い作品に出会えるのも配信のメリットだと思える一作。
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