劇場公開日 2022年2月25日

「愛憎ドラマにしたのが良かった」ナイル殺人事件 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛憎ドラマにしたのが良かった

2022年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ミステリーって映画に向かないと思う。
読書なら読者が謎に対して想像する時間を持てるが、時間芸術の映画ではそうはいかない。下手すれば観客を置き去りにした説明映像になりかねない。
ケネス・ブラナーは賢明だ。謎解きはほどほど楽しめるように残し、人間の愛憎のドラマとして構成し演出した。女優もゴージャスで見ていて心地いい。
ポアロの人間性にスポットを当てたのも良かった。探偵をだたの解説役としてではなく、葛藤を持った人物として描くことで共感できた。かつて市川崑の金田一シリーズがそうであったように、映画においてのミステリーものは愛憎とともにないと楽しめない。
ブラナーの新作が間近だが、楽しみ。

ドラゴンミズホ