ムーランのレビュー・感想・評価
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そして少女は伝説となったが、作品は名作になれなかった
中国の伝説を基にしたディズニーアニメ1998年の作品の実写リメイク。
個人的にこの作品をやっと見れた事に感慨さすらある。
オリジナルのアニメ版は一般的にはディズニーアニメ群の中でも知名度や人気は低いかもしれないが、好きな人は好き。隠れた名作。私も同意見。なので、どう実写化されるか興味あった。
当初は2018年の公開だったらしいが、製作が遅れ、2020年に。が、言うまでもないアレの影響で公開延期が続き、遂には劇場公開を見送りDisney+の配信のみに。
この時私はDisney+に入会出来ず、密かに見たかった本作を見れないんじゃ、と…。
最近になってようやく入会出来、見る事が出来るようになった訳さ。
4年越しの鑑賞。その感想は…
本作、何かと問題や物議を呼んでいたのは耳にしていた。
ムーラン役に非白人を!…の嘆願。
抜擢された主演女優、リウ・イーフェイのある発言。中国国内で『ムーラン』ボイコット騒動。
とあるロケ地へディズニーが感謝を示した事により、批判。
劇場公開から配信に切り替わった訳だが、その高額な視聴料。
映画本編と関係ない理由の方が的にされている気もするが、作品自体にも。
時代考証がおかしい。舞台となっている時代にはない描写や設定。いやいや、娯楽映画なんだから…と言いたい所だが、ハリウッドのヘンテコ日本描写はいつもツッコミの的。
また、いつもながらのハリウッドの中国ヨイショとの声。だってオリジナルのアニメ版が古代中国舞台なんだから、これは全くのお門違い。まあ批判したい人にとっては、中国舞台の作品をやる事自体気にくわないんだろうけど。それはもう差別偏見。
話はアニメ版と概ね同じ。が、相違点も結構多い。
まず、多くの人から嘆かれているエディ・マーフィが声を担当した竜のムーシューや幸運のコオロギの未登場。(これらサブキャラの代わりとしてムーランを見守る不死鳥が登場)
アニメ版はミュージカル要素あったが、本作はナシ。主題歌の『リフレクション』はアレンジが劇中やEDに使用されるものの、個人的にお気に入りだった訓練シーンの楽曲が無くなって残念。
つまり、ファンタジーやミュージカルなどのディズニー十八番のエンタメ要素が抑えられている。
『美女と野獣』や『アラジン』のようはアニメ版のイメージそのままの実写を見たかった人には期待外れかもしれないが、監督ニキ・カーロの狙いはよりシリアス&ドラマチック路線だったのであろう。
アニメ版以上に男尊女卑が強調されている。
家族では父親が絶対的大黒柱。女は淑やかに、娘は嫁ぐ事が孝行。もしそれにそぐわなかったら、一族の恥。
軍内においても。裏切りや敵前逃亡は勿論、嘘も処刑に値する。ましてや女が男と偽って戦地に赴くなど…。
処刑ではない。永久追放。それは家族、村、軍、皇帝、国の名を潰す事になる。
何故、女が男と同じ事をしようとするだけで…?
では、持って生まれたこの“強い気”は…? それや私には何の意味がある…?
そんなムーランの苦悩、葛藤。次第に育んでいく仲間との絆、家族への思い。成長、周囲を変えていく…。
リウ・イーフェイが華麗なアクションと凛とした美しさ、真の逞しさを披露。問題発言については作品と関係ないから触れないでおこう。
美術や衣装、壮大な中国ロケは魅せるものあり。
武侠アクションや史劇ならではのスペクタクルの見せ場も設けられている。
が、ワイヤーアクションやCGに頼りすぎ、アクションがふわっとした印象を受ける。アクション面に於いてもうちょっと重みが欲しかった。
ドニー・イェンやジェット・リーをキャスティングしながら、彼らのアクションが少なめなのも物足りない。最もジェット・リーに関しては病を煩い、かつてのような激しい動きのアクションが今出来ない。ここ暫く映画出演をセーブする中、僅かでも出演してくれた事に感謝。皇帝役、最初は気付かなかった…。
他気になったのは…
家を出る直前、髪を切るシーンが無かった事。女としてでなく男として戦地に赴く覚悟を決めた重要なシーンだった筈…。
アニメ版では隊長と仄かな恋模様が最後描かれる。本作では隊長とではなく、仲間の一兵と。と言うか、恋愛要素自体も匂わせる程度で、そういうのが苦手な人にはちょうどいいかも。
アニメ版でヴィランは大男一人。が、本作では皇帝に恨みを抱く男とハヤブサに変身する能力を持つ魔女の二人。男は皇帝に父親を殺され、魔女はその能力を怖れられ迫害を受け、ヴィラン側にも深みをもたらしているが、あまり二人にした必要性を感じられなかった。
全体的にもテンポの鈍さが感じられ、さすがにアニメ版のようなテンポの良さは再現難しいとしても、アニメから実写になった時の難点が如実に出てしまった。
『クジラの島の少女』など人間ドラマに定評があり、女流監督ならではの視点でよりシリアス&ドラマチックになり、悪くはないが、やはりアニメ版には及ばず、か。
密かに見たかった分、全くの期待外れ、残念、がっかりではないにせよ。
悪くはなかったのは事実。
家族の恥さらしと言われた。
軍や国から追放されかけた。
が、皇帝や国の危機を救い、国中の民から称賛。
人と違ってもいい。自分らしく。自分の信念を信じて。
国に“忠義”を尽くし、“勇気”を持って闘い、偽ったかもしれないが家族への思いは“真実”。
父の剣に刻まれた3つの徳を、ムーランは全て体現。
皇帝から新たに賜った剣にはその3つに加え、“孝”。
中国では今尚男尊女卑や家父長制は根強い。
そんな今でこそ、自ら運命を変えた女性の姿は訴えるものがあり、胸がすく。
ダメ
コロナの影響で劇場公開が中止になって、ディズニー+での配信公開になった作品。
鑑賞してみるとこれは劇場で見なくて良かったなって出来でした。
アニメの方は見てないので、どの位違うのかは分かりませんが、実写版の方は結局何が描きたかったの?って感じの映画です。
芯が無いのでアクションにしてもロマンスにしてもテーマにしても何もかもが中途半端です。多分テーマは無かったんだろうと思いますが。
北方からの侵略に対抗するために、各家族から兵士が徴収されるのですが、男児がいなかったため足が不自由な父親が戦場に向かう事になった。が、娘が男装して代わりに行く事を決意。??
いきなり良くわからない「気」とか言う概念が登場します。この娘は気が強かったらしい。
で、訓練場で同じく各地から集まった新米兵士と訓練しつつ絆を築く訳ですが、この時に登場する他の兵士。キャラが立ってないので後から出てきても誰?状態です。弓が上手かった男とムーランにちょっかい出してた男くらいかな?
その後侵略が進み、訓練も半ばで戦場に駆り出される訳ですが、敵に魔法使いがいて大ピンチ。魔法使いと一騎打ちになる中で、なぜか自分を偽っている事を責められて男装するのをやめちゃいます。戦場に戻ると味方が全滅しそうなので、ムーランは仲間もろとも雪崩を起こして敵を撃退します。??
敵に全滅されるよりは、敵もろとも全滅した方が良いと言う判断でしょうか。ま、味方は助かったみたいですけど、全員無事だったのかな?ちょっと分かりません。
部隊と合流すると女である事を隠していたって事で部隊から追放されます。??
何かウジウジしてる合間に敵の魔法使いを説得して翻意させるシーンがありますが、この辺もそんなに簡単に翻意するの?みたいな。
その後敵が首都を攻めることが判明。女であることで部隊を追放されましたが、皇帝を守るために助けてほしいと懇願。許されちゃいます。??
で首都に行く訳ですが、なぜか皇帝が敵のアジトに出向いて自ら敵の対象と一騎打ちしてます。??つでに翻意した魔法使いはここでムーランを庇うため敵の矢に倒れて死亡。ありがちなシーンですが感動はありません。
皇帝は割と強いみたいですが、結局拘束されて殺されそう。
部隊の仲間に敵の追撃を阻止させつつ、皇帝を助けて敵の大将を討ち取ります。
最後に皇帝が男女の区別なく近衛部隊にリクルートしますが、何とこれを拒絶。家に帰宅したら何故か全てが丸く収まって大団円みたいな。書いてても良くわからんストーリーだな。
女性の自立的なものを描きたかったんなら大失敗です。ロマンスも取ってつけたようなむしろ無かったほうが良かったシーンばかりで、家族愛とか忠義とかも熱意が感じられません。
あれこれ手を出そうとしてどれも上手く出来なかったと言う映画の典型ですね。
こりゃ「ラジー賞」有力候補だな
映像は美しく、セットも豪華でカネはかかってるけど、全然面白くない。
まず魔女の扱いが雑。
敵であり、メンターでもある重要な役割のハズなのに…
軍隊仲間とのやりとりも???だし、
低予算映画なら
「まあ、こんなものかな」と思えるが、
これは製作費2億ドルの超大作。
そりゃハードル高くなるよ。
ウイグル族云々の前に、作品としてダメ。
ムーランじゃない
幼い頃からアニメのムーランを何度も何度も見て、闘志を燃やせ!を通してムーランたちが強くなっていく流れが何より大好きでした。
最近ディズニー+に入ったので、気になっていた実写ムーランを見た時なにもかもが変えられムーシューやムーランのお婆さんなど様々なリストラもショックでしたがせめて大好きな闘志を燃やせ!シーンまで耐えようとしたら…ムーランが仲間たちと徐々に強くなるのではなく最初から力を持っていたご都合展開にもはや渇いた笑いしか出てきませんでした。
なんだったんでしょうかこれは…。
ディズニーの実写は全て見てきてどれも大好きだったのでこれは余りにも改悪に次ぐ改悪でもはやムーランと名乗らないで欲しいレベルに悲しくなりました。
頑張って最後まで見ましたが、鈴虫やムーシューがキャラクター的に難しいならわざわざ守り神をフェニックスじゃなくてせめてレッドドラゴンとかにしてほしかったな…納得いかずすぐにアニメのムーランを見直して心の安定を保ちました。
がっかりです。
予告が1番素敵だったかもしれない
ムーラン子どもの時から大好きで、
リフレクションも大好きなんですけど、
予告をたまたま見て、めちゃくちゃ綺麗で素敵だったのですっごく楽しみにしてて、やっと見れたんですけど
なんか他の方も結構言ってますが、期待値が高い分ちょっとガッカリしましたねえ…
もう予告で辞めておけばよかったかなってくらい予告は見応えあって素敵だったので残念です。ほんとに予告を引き伸ばしたかんじ。
映像はすごい素敵だったけど、歌とかミュージカル要素はゼロで笑える部分も全くないので、ずっとシリアスな感じで基本戦いメインなのでなんだかもう途中から
時代劇の戦争映画を見てるようなかんじになりましたね。(でもその戦いはなんかゆるめで見応えナシ)
でも魔女とか出てくるのでああ、ディズニーか…てなるかんじ?そこがなんだかふわふわしててなんだかよくわからなくなりましたw
でもムーラン役の人は凄い綺麗だし出てる人みんなそのまんま役ぴったりって感じで映像は綺麗でした。
でもあんまりその役の良さとか内容が引き立ってなくて物足りないかんじがずっとありますねえ…
リフレクションはやっぱり最高なので後ろで、ほんのちょーとだけ流れてますが感動します。
でもムーランとは全く別者の実写映画って思ってみた方が満足感はあるかもしれないですw
魔女がいるならやっぱりムーシュがいないとね(?)
なんだか惜しかったなあ…
She has made a terrible mistake. どうしてこうなった?
散々映画館で予告を流させておいて上映せずにディズニープラス配信になり、映画館と配給会社との間に溝を作った、ある意味コロナ禍を象徴するようなムーラン。
主演のリウ・イーフェイが中国政府の香港での民主化運動弾圧に賛成するツィートをした為に、アメリカでボイコット運動が起こったムーラン。
エンドロールでウイグル自治区に感謝する1文を入れたが為に中国政府の怒りを買い、メインターゲットのはずの中国ではロクな宣伝もされないまま劇場公開になり大爆死したムーラン。
負の要素ばかり話題が尽きないのですが、一番の問題は映画自体が大して面白くない事ではないでしょうか?
オープニングのディズニーのお城も中国風にする気合いの入れようだったのですが、肝心の中身が今一つ。特にムーランに対して感情移入できる訳でもなく、格好いい見せ場がある訳でもなく・・・ってか合戦シーンがショボいよ❗ドラマ畑のニキ・カーロ監督を持ってきていますが、これこそ全くの畑違い。女性だったらいいんでしょ?みたいで逆に差別意識を感じてしまいます。
「美女と野獣」にせよ、「アラジン」にせよ、アニメを忠実に再現して高い評価を得てきていたのに、何故本作はわざわざ勝利の方程式を手放しオリジナルに走ってしまったのかとても謎でした。アニメ版を好きな人は怒っていいと思います。中国人向けだから手を抜いたのか?と思えるぐらいの作品でした。
解き放て…私は私なのだから。
Disney+で鑑賞。
アニメ版は未見です。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、劇場公開が断念された本作。スマホの画面じゃなく、是非ともスクリーンで観てみたかったなぁ、と思いました。
アクションシーンが豊富で、リウ・イーフェイやドニー・イェンのダイナミックなカンフーやワイヤーアクションが堪能出来て感無量でした。「香港のカンフー映画かな?」と錯覚してディズニー映画だと云うことを忘れるくらいでした(笑)
偽りの自分を捨て、ありのままの自分を解き放つことが真の強さに繋がる…。私は私なのだから。それが揺らぐことはあってはならない。凛と前を向き、突き進むのみ…!
【余談】
皇帝がジェット・リーだとは気づきませんでした(笑)
思い返せば、確かに皇帝にしては強かったwww
ムーランの実写
父の代わりに兵士となるという大まかな流れはアニメと一緒だったけど大分内容が変わっていた。
所々アニメの見覚えのあるシーンもあるけど
「気」や「魔女」「不死鳥」など一切説明のないものや、
ヴィランの名前が違う、劇中には挿入歌が無いなど
アニメファンには受け入れ難いかも。
ディズニー特有のミュージカルではなく
「ムーラン」のアクション映画だった。
映像の色合いはかなり綺麗。
ディズニー映画のわりにはロマンス描写があまりなかった。
個人的にはアニメの思い入れが無かったので、
評判ほど悪い映画とは思わなかったけど、
もう少しウケる描写やドラマ部分に力を入れて欲しいと思った。
ディズニーの考える「強い女性像」に疑問
「女に強さはいらない、結婚して家名を高めることが義務だ。男は強くあるべきで、国と皇帝のために戦うことが名誉だ」(意訳)
観る人に反感を覚えさせずにはいられないように、伝統的な男社会とその呪縛を非常にわかりやすく描き、この後ムーランがこんな世界を壊してくれるに違いないという期待を抱かせる冒頭。
悪役かのように思われた魔女も実は強すぎる力のせいで迫害され居場所を失ったはぐれ者であるとわかり、この社会の歪みを示唆しているかのようである。
ところが実際は、紆余曲折を経て男のふりをしていたムーランが女の姿に戻り、超人的な力を発揮し国家に仇なす遊牧民族の長を倒して皇帝を救出、皇帝は女性のムーランを戦士と認め国で最高の栄誉を与え、ムーランを疎んじていた故郷の人々も彼女を誇りに思いめでたしめでたし……という、ただムーランが強い男(名誉男性)になるまでのサクセスストーリーを描いただけの映画だった。魔女は救われず、遊牧民族(匈奴?モンゴル?)もただ滅ぼされ、国の価値観は古いまま。
ムーランが正とされるということは、ムーランのように男のやり方で活躍できない女性のみならず男性をも否定するということだ。
劇中で例えれば、ムーランのように「気」を持たず男を率いることができない女性は結婚して家名を高めなくてはならないし、戦が得意ではない男性には他の道さえ残されていない。もはや弱者に生きる価値なしと断定しているようにすら思える。
ムーランはありのままに生きたから評価されたのではない。ただ強かったから評価されたのだ。
2020年にもなって、男社会の中で男性と同じやり方で男性に勝ち男性に認められるのが強い女であると言われることになるとは思いもよらず、原作があるからといってこんな前時代的な主張を前面的に押し出す必要はなかったのではないか。
観るなら12/4以降に観るべき
ディズニープリンセスの中でムーランが一番好きで、ずっと楽しみにしてたのに残念。
予告映像でリフレクション歌ってるからてっきりミュージカルかと思ってた。歌0。
アニメ版の挿入歌が歌なしでアレンジして使われてたくらい。
アニメでは仲間のキャラクターも魅力的なのに、そんなのも無し。
笑える要素が全くないのも残念。
アクションは可もなく不可もなく。
ムーランの設定を用いた別の作品です。
実写版の進撃の巨人見たときと同じ気持ちになりました。
期待度が高かっただけに残念でなりません。
つまらなかった
リフレクション歌わないしムーシューいないし、なんか思ってたのとちがったなぁ。正直公開しなくてよかったのでは?
なんでもかんでも原作通り忠実にとはいわなけど、アニメ版ムーランの世界観を凄く大切にしてる人にはおすすめできない。とてもつまらなかった。
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