「【”彼女の目が問いかけている・・、僕は応えなければ・・。”哀しき過去を背負う男女の恋物語。作品構成の妙が、最後半に多幸感を齎してくれる作品でもある。】」きみの瞳(め)が問いかけている NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”彼女の目が問いかけている・・、僕は応えなければ・・。”哀しき過去を背負う男女の恋物語。作品構成の妙が、最後半に多幸感を齎してくれる作品でもある。】
■印象的な事
1.目の不自由な明香里を演じた、𠮷高由里子さんの”深い哀しみを抱えながらも、常に口角を上げ、毎日笑顔でコールセンターで客のクレームや上司のセクハラに耐えながらも、懸命に生きる姿。”
ー彼女の姿が健気過ぎて・・・。𠮷高由里子さんの”無理してでも、明るく頑張っている姿”の演技が絶妙に上手い。-
2.過去に深い過ちを犯したアントニオ・ルイを演じた、横浜流星さんの、前半は希望を失い笑顔のない表情から、明香里と出会い、徐々に自分の帰る場所、守るべき女性のために懸命にキック・ボクシングに再度取り組み、明るさを取り戻していく表情の変化。
ーずっと俯きがちだったルイが、明香里と出会い、時折見せる笑顔の素敵な事。-
3.作品構成の妙
1)「椰子の実」の唄の使い方。
-”名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ 故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月・・・。 いずれの日にか故国に帰らん” ー
映画を観れば一目瞭然なのだが、この唄は、ルイと明香里の人生を暗示しており、二人の頭の中には常にこの唄がある。
だからこそ、後半ルイが明香里の陶器の店で、聖母マリアが彫られた木箱のオルゴールから流れる「椰子の実」を聴いて、落涙する姿が心に染みるのだと思う。
2)前半は、目の不自由な明香里をルイが支え、後半は明香里の手術代のために、再び闇のキックボクシングの世界に戻ったが故に、下半身が不自由になってしまったルイを、ルイのお陰で、視力が戻り生き生きと暮らす、明香里が支える設定の妙。
前半の海岸でのシーンで、二人は”シーグラス”により深く繋がりを持ったのだ。
明香里の海岸でのセリフ
”ガラスも最初は尖っているけれど、色んな波に揉まれると角が取れて丸くなるんだよね‥”
と言い、”シーグラス”をルイの掌に乗せるシーン。
そして、このシーンが後半じわりと効いてくるのである・・。
<前半は、やきもきする部分が幾つかあるが、主役お二人の演技がそれを十分に補完している。
そして、荒々しい中盤を経て、
ルイと明香里の身体、精神の状態が逆転した後半に訪れる”あの海岸”での二人の”再会”のシーンは、涙が溢れつつも、多幸感に満ちたシーンであると思います。>
■補足
1.横浜流星さんの鍛え抜かれた身体から繰り出されるキックボクシングの技・スピードは流石である。
本編とは別にして、彼が自ら演じた幾つかのキックボクシングのシーンは、充分見応えがあると思う。
2.横浜流星さんが演じたルイと、目の不自由な明香里を演じた、𠮷高由里子さんの関係性を見て
”チャールズ・チャップリン”の「街の灯」の浮浪者の男と花売りの娘を想起したのは、私だけではないであろう・・・。
こんにちは😃
昨日は失礼いたしました。
補足の2、おっしゃる通りです。
『街の灯』を元に韓国映画『ただ君だけ』が製作され、ほぼリメイクしたのが本作です。
是非機会があれば韓国映画の方もご覧ください。
こんにちは!
コメントありがとうございました♬
いい映画って内容であったり、見せ方であったり、様々だけどこれは間違いなく演技に揺さぶられましたよね
私も途中からずっと涙が流れて
涙腺壊れたのかと思いましたよ
泣けてスッキリしました!笑