「TVアニメではのめり込めなかったけど、煉獄パイセンに男泣き」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
TVアニメではのめり込めなかったけど、煉獄パイセンに男泣き
原作漫画未読ですが、TVアニメは放送終了後にAmazon Primeで一気観しました。
ただ当時は、「鬼」の設定は吸血鬼やゾンビ、禰豆子を元に戻したいという動機づけも「ハガレン」っぽいなという既視感で、それ程のめり込めませんでした。
映画の前半も、炭治郎が亡き家族に寄せるの想いこそ胸に迫りましたが、善逸と伊之助が見る夢の浅薄さには、若干唖然としてしまいました。
下弦の壱・魘夢との対決も、列車と一体化された際の絶望感や、夢の中で自死を繰り返す炭治郎の胆力には目をみはりましたが、炎の柱・煉獄杏寿郎の能力の高さが、間接的にしか描かれない事に、もどかしさが有りました。
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しかし、猗窩座が現れてからの終盤は凄かったです。
目にも留まらぬ速度で繰り広げられる技の数々。
ただこの手の表現は、、正直ドラゴンボールで慣れっこ。
それ以上に感情を掻き立てられたのは、煉獄杏寿郎の責任感と覚悟です。
無論、煉獄パイセンは、上弦の鬼の手強さは元々知識としてあったでしょう。
ただ、実際に手を合わせることで、その底抜けな実力を実感し、命を賭けても倒せない相手であることは、早い段階で悟ったはずです。
それでも、ここで自分が踏ん張らないと、後輩も200名の乗客も救えません。
そして放たれる台詞。
「俺は俺の責務を全うする!!
ここにいる者は誰も死なせない!!」
この時点で、彼は闘いに勝って生き残れずとも、敗北を夜明けまで引き伸ばして、皆を救おうと覚悟を決めたのかもしれません。
そして、その覚悟こそが、亡き母に託された使命でした。
自分はこのあたりから、得体の知れない涙を止められませんでした。
何に泣いているのかよくわからないけど、煉獄杏寿郎の生き様の見事さに、ただただ心を打たれました。
炭治郎が「煉獄さんは負けてない...」と叫ぶ姿も切なかった。
最期に、笑顔で父と弟に遺す言葉も、たまりませんでした。
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ということで、レギュラー放送の後の映画化には否定的な自分でしたが、結果とても収まりのいい117分だったし、終盤ではチケット代以上の感動をいただきました。
ただ「無限列車・編」というサブタイトルは、自分の中では完全に「煉獄杏寿郎・編」もしくは「煉獄杏寿郎の超侠気・編」に書き換えられました。