「泣かそうと狙いすぎたBGMの演出が過剰で興醒めしてしまう」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 isukeeさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0泣かそうと狙いすぎたBGMの演出が過剰で興醒めしてしまう

2020年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

吾峠 呼世晴さんが生み出した少年漫画「鬼滅の刃」は素晴らしい出色作品だと思う
「ジョジョの奇妙な冒険」や格闘漫画「TOUGH」の丸パクリやないか!!という世の批判はあるけれど、あそこまで高いカタルシスを得られる少年漫画になると、
パクリじゃなくてオマージュとして捉えられるし 楽しめた

で、映画化されてどうなる?と期待を胸に劇場へ向かったが、
期待はスカされてガックリ

煉獄さんの最後の吐露・遺言、
あれが本作のハイライトとなることは皆が期待していることだけど、
「みなさん 感動して泣きたいよね、じゃあこの悲しい音楽をどうぞ」みたいに、
安直な制作サイドの思惑が透けて見える過剰なBGM、これには辟易した
まるで感動を押し売りする24時間テレビの音楽演出のようで、ただただ残念。。

あのシーンでは、
荒涼とした夜明の原野なのだから、
余計な音楽は無しで、
風の音、木々が揺れる音、大破した列車の軋む音、
煉獄さんの弱まる心拍の音、
3人がすすり泣く音
そういう心象に響く情景描写の音にフォーカスして欲しかった
原作が佳作なのに映画化すると安っぽい感動押し付け作品化してて飽きてしまう

映画が、映像とストーリーと音楽による三位一体の総合芸術であることがよく分かる
どれか一つ欠けると全体が駄目になってしまう

伊助