劇場公開日 2020年2月1日

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「人間は弱く脆いけど、強くなれることを忘れないで」淪落の人 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間は弱く脆いけど、強くなれることを忘れないで

2020年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

香港にやって来た、広東語の通じない外国人家政婦、エヴリン。「一番重要なのはバカのふり」と、同朋が言う。聡明である彼女は、自分の働き方、居場所、この先の人生、、、どう行くべきか虚空をさまようような心持ち。
事故で車いす生活を余儀なくする老人、チョンウィンは、家族との距離が微妙。
「家族にそばにいて欲しいんだけど、家族は俺たち以上に他人だ」とチョンウィンは言う。他人の関係から始まった二人が、徐々に相手を労わり、敬っていく心情の描き方が素敵だった。「車椅子に乗るしかないけど、心持ちは自分で選べる」と励ますチョンウィンに触発されて、自分の夢を追うことを始めるエヴィリン。
「やれることをやれる人は少ない」と背中を押し、「夢を与える人」と感謝を示す。その心が、昇華するラストは心地よい涙が流れた。
原題、”still human”。そこに、この二人の矜持が表れている。優しさに包まれている映画だった。

栗太郎