劇場公開日 2020年9月11日

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「日本立場党!」れいわ一揆 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本立場党!

2021年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 異性装という聞き慣れない言葉。馬を飼い、東松山市長選挙にも立候補した安冨氏。マイノリティの中の自分らしさ、「富国強兵」なんていらない。俳優出身の国会議員・・・なんだ?。俳優やってただけあってカルト教の教祖の雰囲気もろだしだったな・・・

 楽しい、面白い民主主義が根幹にある山本太郎となかまたち。個性的すぎるので面白さはあるものの、いきなり10人の立候補はとてつもない苦戦になるはず。山本太郎を中心に映画を撮ると、あまりにも政治色が濃くなるし、馬や音楽を使うやすとみさんを中心に添えるのは面白い趣向だと思いますが、候補者としてはあまりにも色物すぎるような気もする。

 安冨氏の敬愛するマイケル・ジャクソン。ゾンビのモブシーンの解釈。「政治に興味を持たないというのは、もっとも政治的」という持論。選挙戦も進むにつれ、徐々に自らの主張が確立していったような雰囲気。子どもに守ろう!大人を天国のような生活にするのは無理だが、未来を担う子どもを幸せにすることはできる。ロボットを作るんじゃないと、動物世界にも喩えて子どもの支持も得る。

 当時のれいわ新選組については全くと言っていいほど知らなかった。山本太郎の「あなたを幸せにしたいんだ」という説得力のある言葉。そして消費税が福祉に使われてないことの暴露など、ちょっとうるうるしてしまった。結局は政治的メッセージを強力にアピールする後半だったけど、「政治に興味をもたないというのは、もっと政治的」という安冨氏の言葉があるから、内容そのものも、れいわフィーバーの現象も頷ける作品となっていました。

 重度身体障碍者、性的マイノリティ、派遣労働するシングルマザー、元コンビニオーナー、創価学会員などなど、多彩な顔ぶれの候補者たち。ばらばらではあるけど、根底にあるのは搾取される側の弱者。そして、安冨氏が全国遊説に奔放するところはちょっと感動的。SNSがメインで人気を醸すも、田舎までは伝わってこない。組織が大きくなれば地方にも来てくれるだろうし、今後の活躍も期待したい。

kossy