「【行間/沈黙】」わたしの叔父さん ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【行間/沈黙】
二人の会話の行間のような沈黙の場面には、多くの言葉が詰まっている。
恵比寿ガーデンシネマが、恵比寿三越の閉店に伴うガーデンプレイスの改装で、2月末に一時閉館となる。
その前のロードショーの最後の一本だ。
ピーターゼン監督が寄せた挨拶の映像が映されるのだけれど、「閉館は残念なことだが…」と、いやいや、一時休館なんだから、そんなこと言わないでと😁。
映画に戻ります。
背景にある、クリスの兄弟の死と、後を追う父親の自殺という大きな事件や、クリスが獣医を目指していた事、叔父さんの病気の事なども、ほんの少し会話の中で語られるだけで、過去は遠くに封じ込められている。
二人の沈黙は、会話のない会話だ。
そう考えると、これは、やはり、小津安二郎へのオマージュのような気もしてくる。
そして、この沈黙は、実は饒舌なのではないか。
二人が見せる葛藤や、強い意志、決意…、思いやり、優しさ。
最後の場面、クリスと叔父さんの行く末は、観る側に委ねられているのだ。
自分の人生と照らし合わせて、一人ひとり違う未来が見えているのに違いないのだ。
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