劇場公開日 2021年1月29日

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「画は口ほどにものを言う」わたしの叔父さん 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0画は口ほどにものを言う

2019年11月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

寝られる

まるで絵本のような映画だ。

全編ほぼセリフも音楽もなく、淡々とわたしと叔父さんの日常が繰り返されていく。ドキュメンタリーのよう。普通だったら他人からしたら退屈な映像のはずが、何気ないやりとりからふたりの関係がにじみ出てきて身近で微笑ましくなる。そうだ、本来人間同士が織りなすリアルこそがドラマなのだ。事実は小説よりも奇なり。

それもそのはず。ふたりは実の叔父と姪らしい。そしてその叔父さんが実際に生活している農場で撮影したようで、飾らない現実がそこにはある。
現実と理想、身寄りへの愛情と自由への羨望との間のジレンマを佇まいだけで見事に描いている。

良くも悪くも東京国際映画祭のグランプリらしい作品で、チャレンジングなアプローチで称賛に値するものだとは思う。ただ…こういう系は賛否両論か評価が高くなりやすいが、こういう映画も必要だと思いつつ、素直にやっぱり自分はもっと分かりやすくて純粋に楽しめるエンターテインメントを求めてしまう。

でもどうしてもいつもハリウッドか邦画に落ち着きやすい映画事情に、幅広い可能性という一石を投じてくれる貴重な機会として毎年この映画祭を楽しみにしている。

もの語りたがり屋