劇場公開日 2021年8月21日

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「歌が上手い女房」大地と白い雲 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0歌が上手い女房

2021年9月21日
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鑑賞方法:映画館

本当はこの映画を見るつもりはなかったんだけど、竹橋あたりから時間かかる場所に行けなくて、ウン10年振りに岩波ホールへ。「ファニーとアレクサンドル」以来かも。

モンゴルの草原が広い! 空、雲の形、風、雷の音、虹。うーん、大地だー。自然だー。スーホの白い馬の世界だー。

そのだだっ広い草原がつまらないと思う、夫のチョクト。妻のサロールはこの土地が好きで、今の暮らしに満足している。チョクトはたびたび都会に出かけてしまう。サロールは腹を立てるが、惚れた弱みで許してしまう。が、最後は…?

馬に乗るチョクトがバイクと並走したり、馬追い(これ、ゲームかなんか?)で縄投げたり、時々かっこいいところもあるけど、たいがいはボーっとたばこふかして、ダラダラしてる。まだ大人になりきれないというか、夢ばかり見てるというか、はっきり言ってしょうもない。

妻のサロールは、お尻の下まで届くほどの長い髪で、歌がめっちゃ上手い(歌手らしい)。ほっぺが赤くて笑顔がかわいい。乳搾りの時に牛に話しかけたり、子羊を抱いたり、動物に優しく、かいがいしい。

モンゴルといえばゲル。テントの一種だけど、なかなかの広さ。ベッドも食卓も置けるし、タンスもあった。テレビはなかったっぽいが、ラジオはある。そして、ここにもスマホの波が。モンゴルのかつての遊牧スタイルは消え、柵で囲った土地に定着する。モンゴル人も変わらざるを得ない。チョクトとサロールを、新旧の価値観になぞらえているのか。古き良きものを惜しむような、サロールの歌声が胸に迫った。あと、ホーミーは、不穏な場面のBGMにけっこう合うもんだね。ゲロゲロ〜。

ぷにゃぷにゃ