劇場公開日 2020年12月18日

「もしかしてこれって洗脳」約束のネバーランド グリンリーフさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5もしかしてこれって洗脳

2021年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

芝居がかったセリフ回し、舞台劇のような演出、清潔な白い衣装、
宝塚のミユージカルのようだ、人間が食用として育てられ、殺されていく、
恐ろしく残酷な話を何故子供向けのファンタジー物語のように演出するのか。

ある批評家はすべての脱出劇はモーゼによる出エジプト記が原点である、といった。
だからユダヤ人が作ったハリウッドでは脱出劇の名作が作られる。

古くは十戒、ポセイドン・アドベンチャー、タワーリング・インフェルノ、と名作が多い、
共通しているのは優秀なリーダーが人々を導き、困難な状況を打開し、約束の場所へと導く
ことだ。

これはアメリカ人にとってある種理想の政治形態の一種でもある。全能で善良な力のあふれた指導者によって率いられる善の理想国家(これ共和党のトランプさんの事じゃないですよ)

彼らが最も嫌うのは見えざる手によって人知れず管理されること。自分の生き方は自分で決める
自己主張こそ、彼らが望む生き方なのです。だからこそ権力には抵抗します。抵抗こそ彼らの生き方そのものなのです。

この映画は生きるための抵抗を、あえてキッズの冒険談のように描いています。管理されることを好む日本人にはこの方が受け入れやすい、残酷な現実をあえて残酷に見せるより砂糖菓子にくるんで
見せた方が大衆には受け入れられる。

だからこそこれって洗脳?

グリンリーフ