劇場公開日 2020年12月18日

「成長すると、順次、殺され、収穫される運命にある孤児たちが、人間飼育所から脱出を試みようとする、そういうお話です。2時間も掛けるような話とも思えませんでした。」約束のネバーランド お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0成長すると、順次、殺され、収穫される運命にある孤児たちが、人間飼育所から脱出を試みようとする、そういうお話です。2時間も掛けるような話とも思えませんでした。

2020年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怪物の命令により、怪物の餌として人間が飼育されている時代が舞台。
そこからの脱出を試みる子供たちが主人公の映画です。
メッセージ性やテーマ性を盛り込みたければいくらでも盛り込めそうな構図なのに、いたって薄味すぎるストーリー展開で、どうしてこんな薄味映画を作ろうとしたのか、私にはまったく理解もできませんでした。

風景は美しいです。
異国風の孤児院のセットも良くできています。
しかし、舞台はこれだけ。
よくよくコストが掛かっていない映画です。

「マザー」もしくは「飼育監(?)」を演じる北川景子が驚くべき怪演を見せてくれ、15歳の子供を演じる浜辺美波も安定した演技で楽しませてくれてはいたのですが、浜辺と一緒に脱出を試みる城桧吏と板垣李光人の二人が、セリフ回しもギコチなく、違和感バリバリの演技で、浜辺美波の熟練した自然な演技とのギャップの大きさに、心からがっかりしました。
板垣李光人の浮かべる「ヨン様スマイル」もしくは「スマイリーきくち」的な微笑み。時代遅れ感が半端でなく、これも大きな違和感の一因でした。

そして渡辺直美。
吉本新喜劇的な大げさな演技で、彼女の出番は映画の雰囲気をブチ壊す以外にどんな役割があったんだろうか的な、今考えても違和感しか感じられませんでした。

世間から隔離されたまま何も知らずに育った子供たちが、怪物に占拠された世界に出て行って、この先いったいどのように生きようとしているのか、そういう点も描かれず、2時間も上映時間に引っ張り回されたあげく、単に「朝焼けが美しいですね、良かった良かった」で終わられたのでは、燃焼不足もはなはだしく、ガッカリしながら家路につくしかありませんでした。

ストーリーの練りが根本的に甘過ぎるとしか評価できません。

お水汲み当番