「道を逸れた自業自得な人達の物語。」エルカミーノ ブレイキング・バッド THE MOVIE コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5道を逸れた自業自得な人達の物語。

2023年3月27日
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鑑賞方法:VOD

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内容は、アメリカのTVドラマシリーズ・ブレイキングバッド全64話のその後が描かれた映画作品。生き残ったジェシー・ピンクマンを主人公にしアラスカ最後の未開の地まで逃避行が主な内容。ドラマシリーズを振り返りながら回顧や未来への希望を表現した映画。印象的な言葉は、やはりジェシーと云えばW.W.ことウォルターホワイトの初めてのクック後のファミレスでの会話で『君は良い。特別な事をするのに一生を待たずに済んだ。。。』キャンピングカーの銃痕を見ながら達成感・羨望感・寂寥感・無力感に襲われるウォルターの呟きにも似た台詞。肺癌で死を覚悟したウォルターを親身に実の父の様に慕う擬似息子ジェシーと家族に裏切られて疑似父にありのままに振る舞う他人とも家族とも言えない心の距離感が非常に良く表れていたと思う。好きな境遇では、今回はトッドの太り方が半端ないので特に印象が残った。しかしマニュピレーター的な立ち位置は今作品にとって非常に良いアクセントになったと思います。自分にとってブレイキングバッドの中のマイクやガスが印象的だった為にバランスの取れた相関関係に脚本の妙を感じました。印象的な場面ではハレーションを感じる光の輪郭や映像的な編集の繋ぎの上手さが目立ってる様に感じました。時間を飛び越えて感じる映像表現は、主人公ジェシー・ピンクマンの色々あり過ぎた2年間を印象付ける心象風景がとても切なく感じました。しかしドラマ64話見てないと分かりづらいシーンが多かった。スノードームの青い服のそっぽ巻く女性と男性やタランチュラ・掃除機販売店・ブラック・カンティージョへの手紙・マカロニウエスタン的な結末や最後の生き残りとしてのシーン、そして誰も居なくなった寂しい結末は、この物語り全体を通して言おうとした、自ずから道を外れた自業自得な人達の末路を表している様で、最初から無理ゲーだったのかもと冷静に感じますが、恐怖や不安を煽るエンターテイメントとしての見せ方は非常に勉強するものがあり面白かったです。最後にトッドがいつも言うジャック叔父さんの言葉『人生は自分次第なんだって』という言葉をジェシーが思い出し宇宙=親子関係(家族)を離れ自分で決める事が出来る様な希望が残された事が少しの救いになりました。そして最後の生き残り。心優しい腰抜けのジェシーピンクマンが色々な経験後変貌してしまった顔で終わる部分は、彼の行く末を暗示する様に感じます。結果この2時間の映画を楽しむ為にドラマ64話観たように感じました。

コバヤシマル