劇場公開日 2020年6月26日

「It has been a long road」ランボー ラスト・ブラッド じょんそんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0It has been a long road

2020年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『It has been a long road』をBGMに故郷の牧場へと歩むランボーの後ろ姿で終わった前作から11年、今作の彼はその牧場で老境を迎えていた。
グリーンベレー仕込みのスキルを駆使して単身で多勢を駆逐する姿はそれまでの作品と同じだけど、前作まであったベトナム帰還兵の悲哀やPTSDに苦しむ姿、弾圧される民族の解放といったイデオロギーは薄く、単に愛する者を奪われたことへの復讐劇と化していることが少々残念。
この脚本ならランボーの続編じゃなくてもよかった。
ストーリー展開としては、リーアム・ニーソンやデンゼル・ワシントンが演じる怒らすと怖いおっさん映画と同じだ。
とは言えブービートラップ満載のラスト30分は痛快だし、坑道内を駆け回るシーンは初作へのオマージュも含んでるようにも思える。
初作のエンディングも『It has been a long road』が流れていた。
その歌詞は「いつか安らげる場所に辿り着くために、お前は険しく長い道を進むしかない」と歌う。
初作から38年、演じるスタローンと同じように歳を重ねて73歳になったランボーの戦いはいつ終わるのだろうか。
銃創を負いながらも敵をせん滅し、独りロッキンチェアに揺られるランボー。
せめてこの椅子が彼にとっての安らぎの場所であってほしい。

じょんそん