「ハリウッドでリメイクも決まった、出来の良い「韓国らしいバイオレンスアクション映画」」悪人伝 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドでリメイクも決まった、出来の良い「韓国らしいバイオレンスアクション映画」
本作は2019年の5月中旬に韓国で公開されて初登場1位を獲得しています。とは言え、5月末に「パラサイト」の登場で追われるわけですが、動員300万人突破のヒットをしています。
私の感覚だと韓国映画は、アタリとハズレの乖離が大きいという印象ですが、これはアタリの方でした。
主人公の凶暴なヤクザの組長のビジュアルから敬遠してしまう人もいるかと思います(実は、私もその一人…)が、このマ・ドンソクという俳優は、日本でもスマッシュヒットを記録した名作「新感染 ファイナル・エクスプレス」に出ていた人、というと、あっと思い出すのかもしれません。
この先も「マーベル・シネマティック・ユニバース(要はこれまでの「アベンジャーズ」シリーズ)」の「エターナルズ(原題)」に出演することが決まっているので覚えておいてもいいのかもしれませんね。
さて、本作は「ヤクザ」×「警察」×「殺人鬼」という、それほど見かけない題材です。
2005年8月の韓国を舞台に描かれていますが、これは最初に「本作は実際の事件に基づいた創作」と出てくるように、実在する事件があるのです。
最初の方は、「ヤクザ」と「警察」の癒着や暴力抗争などが出てくるので「韓国版アウトレイジかな?」と思っていましたが、「殺人鬼」のくだりから徐々に独自色を強めていきます。
作りが丁寧ですし、画の作り方も独自性があってよく、展開も面白いので、だんだん引き込まれていく自分を感じます。
本作は、とにかく見てみればシンプルに面白さが分かるので、ネタバレ回避のため、多くを語らないようにします。
「韓国らしいバイオレンスアクション映画」とは書きましたが、そこまでエグいシーンがあるわけではないので安心してください。
この作品は、シルヴェスター・スタローン制作でハリウッド・リメイクも決定するほど「ヤクザ」×「警察」×「殺人鬼」の相関関係や人間模様が面白いので、そこは壊さないように上手くパワーアップさせてほしいところです。