「独特の絵柄」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5独特の絵柄

2022年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

「ああ、ウェス・アンダーソン監督らしいね」
これで納得できるか出来ないかで、評価は分かれるだろうな…という作品。「犬ケ島」が気に入った人の8割は大丈夫かと思うけど。役者が演じるのだけど、ストップ・モーション風やら絵画風の特徴的な画が目に付くので、そこから入ったら、すんなり入り込めるかも。古いテレビドラマ風の画面に、最初は違和感あったが、どこか懐かしさが手伝って、すぐに慣れた。

内容はなかなかついてくのが大変だけど、自分としては、モンティ・パイソン好きなので、風刺コメディ風の作りは大歓迎。彼がイギリス人だったら、もう少しパンチが効いた嫌味がちなネタとなるのだろうけど、そこはアメリカ人らしい良識で、抑えられているので、少し薄味に感じた。

とはいえ、文化的な背景が違うので、シニカルな部分は半分くらいしか理解できなかったと思う。1950年の前後15年くらいのフランスについて、もう少し前知識仕入れて観れば良かったか。

それでも、次々繰り出されるネタや、ドタバタ映像は、画面として観ているだけで楽しいし、4つの章編を繋ぎ合わせた構成で、それぞれの章の展開とオチも小気味よい。独特の間が心地よく、だんだん癖になる。たまには珍しい世界観に浸ってみるのも、また一興かと。

AMaclean