「Wアンダーソンの新作はますますWアンダーソンでした。」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
Wアンダーソンの新作はますますWアンダーソンでした。
ウェス・アンダーソン監督は好きなのよ本当に。
「グランド・ブダペスト・ホテル」なんて大大大好きで部屋に米国版ポスターを飾っているほど(大きすぎて床に立て掛けたままですが)。
だけどこの作品はそこまで乗れなかったなぁ。
こちらも「グランドブダペスト〜」同様にカラフルでキュートだけど色目はややくすみ色。そこはいいの。
セットも衣裳も、とことんこだわっているシンメトリーな構図もすっごくお洒落で一目でWアンダーソンとわかる独特の世界観。造形美とシュールなファンタジーの共存。
相変わらず豪華すぎるキャスト。ビル・マーレイやティルダ・スウィントンのような重鎮からティモシー・シャラメ、シアーシャ・ローナンのような今を時めく若手実力派の人達まで次々と出てくる出てくる!
でもオムニバスぽくなっていることもあって(全く別のお話ではないんだけど)1編にだけ出てくる役の人は出番が少な過ぎる人も。エドワード・ノートンなんて一瞬じゃなかった??勿体無過ぎるよぉ。
常連レア・セドウは見事な脱ぎっぷりでびっくりしましたが。いやぁ美しいのなんのって。
そうなんです、短編形式なんです。
「フレンチ・ディスパッチ」という雑誌の3つの掲載記事、というテイなので物語が3話。だからそこまで深いお話ではなくてそれ故にそこまで乗れなかったんだろうなぁ。
途中で画角が変わったりモノクロやアニメーションが入ったりと緻密に計算され尽くした映像でそこは楽しいんだけど情報量がとてつもなく多いので私の頭では一度で消化しきれませんでした。
タイトル長すぎるでしょ。「フレンチ・ディスパッチ」だけで良いじゃん、と思ったけど原題のままなのね。
The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun って全然覚えられない。。
そう言えば滝口監督の「偶然と想像」も皆さん高評価だったけど私は断然「ドライブ・マイ・カー」派なのよね。偶然〜もオムニバスだったしあたしゃオムニバスがやや苦手なのかも。
なんだかんだ言ってますけど嫌いじゃないです、むしろ好きです!
ただ「グランドブダペスト〜」と比べるとちょっとなぁ、というだけなので。