「エスプリを纏った全てのカットがとにかく饒舌、圧倒的な情報量を受け止める集中力が試される贅沢な作品」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エスプリを纏った全てのカットがとにかく饒舌、圧倒的な情報量を受け止める集中力が試される贅沢な作品

2022年2月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

物凄く贅沢な作品。編集長の急死で突如廃刊となった雑誌フレンチ・ディスパッチお抱えのライター達による記事をベースにしたオムニバスという体ですが、ほぼ全編がスタンダードサイズの映像の中に収まっているいかにもフレンチなエスプリを纏った全ての映像がとにかく美しい。映像そのものがセリフや文字よりも饒舌なのでそれを全部受け止めようとしてもダラダラこぼれ落ちてしまいます。キャストがとにかく豪華であるのももちろん眼福、特に超絶ツンデレ看守シモーヌを演じるレア・セドゥーの突然の登場には顎が外れるくらい驚きました。エンドロールに大工と塗装工のクレジットが夥しいのも印象的で豪華絢爛なセットが組まれたことが窺い知れます。

真面目に字幕を追っていると置いてけぼりを食らう圧倒的な情報量の作品なので、とにかく眼球を剥いて映像に向き合いましょう。どうせ1回では受け止め切れないので気に入ったら何度も観ればいいと思います。

よね