「置いてけぼり感が半端ない〜〜(笑)」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5置いてけぼり感が半端ない〜〜(笑)

2022年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

いつもながらのウェス・アンダーソン監督の
センスとこだわりがこれでもか!と詰め込まれた本作。
色も造形も美しく、画面の中の情報量が半端なくて
それを追っかけていると流石にちょっとクラクラします。
うっかり観てると置いてけぼり感が半端ない〜〜(笑)

一つの物語というよりは雑誌記者あれこれと言う
オムニバスだと思って観ていただくと多少観やすいかも〜

で、月に8本ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては

ところどころ、監督、またそんなとこにエネルギー使いすぎ!!
と苦笑いしてしまいました。

特に川から網で掬ったうなぎの稚魚のウニャウニャ!
「犬ヶ島」のときと一緒じゃん!
そのアップいる??
と突っ込み入れてしまった。(笑)

今回は監督の雑誌愛、
インターネットが普及するまでは
様々な文化の最前線の情報は雑誌が頼りだったわけで
今、資本主義の社会で衰退してゆく雑誌文化。
ビル・マーレイ演じる編集長の死は、
経済や効率優先の中で失われつつ様々な文化的な物事への
アンダーソン監督の危機感に思えます。

また、私はあまり解らなかったけど
フランスの様々な名作映画への
オマージュやリスペクトが多数織り込まれていて
それに乗せて政治への批判も込められている感じです。

映画の中でティモシー・シャラメが幾度も
「筋肉が恥ずかしい」と呟くのです。
写真で観た感じでは監督も若い時から
細っぽい青年だったのは?と想像できます。
知的なものを愛するあまり、
肉体のリアルを忘れてしまいたいのかな?

複雑な監督ですよね〜〜
私の様な凡人には理解できません。

星のナターシャnova