「NO CRYING」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0NO CRYING

2022年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

難しい

国際問題や政治、アートにファッション。
様々なジャンルでクセのある唯一無二の記事を出してきた雑誌、フレンチ・ディスパッチ。
しかし編集長が死去し、彼の遺言で廃刊が決まる。
編集長の追悼号及び、フレンチ・ディスパッチの追悼号となった最終号。
編集者たち思い思いの個性的な記事の全貌とは。

久しぶりに難解な映画を観た。
雑誌一冊をそのまま映画にしたような、アーティスティックで唯一無二な世界観。
情報量の嵐にかなり疲れて所々でウトウトしてしまったのが悔しい。
アートとするにはストーリーがしっかりあるし、映画とするには映画の枠にハマりきらない。
豪華キャストの贅沢な無駄遣い、シュールで美しい各エピソード、カメラワークや色彩感覚などの技巧を凝らした映像表現。
長く感じる割に楽しくて物足りなさもある、遊園地のような映画だった。

大きく分けて3部構成。
それぞれ感想を。

〈確固たる名作〉 文=J.K.L・ベレンセン
3つの中では分かりやすくて、1番好み。
モノクロからカラーへの転換部分など、センスが溢れ出てる。
ベニチオ・デル・トロとレア・セドゥ、間違いなくMVP
レア・セドゥ本当に綺麗だった。
囚人と看守の奇妙な関係性ずっと観てたい。

〈宣言書の改訂〉 文=ルシンダ・クレメンツ
もう既にだいぶ頭を使っていたのもあって、3分の1くらいウトウトしてしまった…
記者のマクドーマンドと運動家のティモシャラが親密な関係で…くらいしか認識出来てないので、ここだけでも観直したい。

〈警察署長の食事室〉 文=ローバック・ライト
絵に描いたような(いや、実際に絵に描いた)ドタバタ劇。
途中からアニメーションにしちゃうという斬新さにやられた。
ジジ誘拐と同時にネスカフィエが謎の儀式を始めたのが個人的ツボ。
ウィレム・デフォーやシアーシャ・ローナンの無駄遣いもお見事。

唐揚げ