「読み応えのある映画」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
読み応えのある映画
本作はビルマーレイ演じる編集長が亡くなったことで廃刊が決まった雑誌の追悼号、廃刊号を作るため、個性的な編集者が奔走する物語。
本作はどのシーンを切り取っても一枚の絵として成立するほどこだわり抜かれていて視覚的な情報量はもちろん、ナレーターとして伝えられる実際の記事になりうるほどのセリフの量で鑑賞後のやり切ったとも感じる達成感は唯一無二であると言える。
モノクロなのにカラフルで淡々としているのに情緒的なシーンの連続に素人ながらに芸術性に富んだ作品だと感じる映画だった。特に「確固たる名作」でのベネチオデルトロとレアセドゥのフランス語での高速やりとりには目を見張るものがあった。
ウェスアンダーソン監督の映画はこれまで観たことがなく、本作のどのジャンルとも言えないストーリー、色使い、個性的なキャラクターに今まで味わったことのないジワジワとした穏やかな感覚を抱いた。とても読み応えのある映画だった。
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