「ミステリーの焦点は」仮面病棟 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーの焦点は
なかなか面白いミステリーだったと思う。
永野芽郁演じる川崎ひとみがグルだとすぐ分かってしまう。なんて文句書いてる人もいるけど、川崎が怪しいのなんて誰でも分かる。焦点はそこじゃない。
まずピエロの正体が大谷亮平演じる小堺なんだろうなと思うよね?妹を受け入れて貰えず亡くなってしまった恨みという動機もある。
亡くなった妹と坂口健太郎演じる速水は恋仲だったわけで小堺とも親しい。
そうなると、ピエロと行動を共にする川崎とは何なんだ?ってことになる。速水が全く知らない人が妹の恨みの共犯なの?速水じゃなくて?
つまり、川崎ひとみがピエロとグルであるところが不自然になるわけだ。川崎ひとみが怪しいことは誰でも気付くように作ってるのだから気付いて当たり前なんだよね。気付かなきゃミステリーが始まらない。
だからこそ、ちょっとだけ残る「ただの巻き込まれ」の可能性を考えちゃうんだよね。
行動が不可解なピエロ。何者だか分からない川崎ひとみ。明らかに秘密がある病院。これらがなかなか繋がらない。
最後のピースは、最初に確定だと思っていた小堺=ピエロが崩れたことだけど、お前普通に仕事してたんかーいというツッコミ程度でドンデン返されるほどの驚きがなかったのは残念。
立ち居振る舞いとか話し方とかで小堺がピエロじゃないと何となく感付いてしまう。
自分で書いてること矛盾してるけど、これは映画だからピエロは小堺だけど演じてるのは別の人なんじゃないかとか考えてしまったんだよね。
あとは、満床のはずのベッドから速水がシーツを剥がすシーンがある。結果からいえば正しいシーンだったわけだけど、どこか出来が悪そうな作品の匂いがして、ミスなんじゃないかと思ってしまったんだよね。
全編ちゃんと作っていたのに色々仕込まれている不可解なシーンを「ヒント」だと信じられなかった。
ちゃんとしてたのにちゃんとしてない気がしてしまう雰囲気の軽さ?ここをどうにか出来ればね。
そんなわけで、あとちょっと何か工夫があったらもっと良くなった気がする。
サービスで星4つ