「ぬるいサスペンス。ハッピーエンドで良かったね。」仮面病棟 4匹のミーアキャットさんの映画レビュー(感想・評価)
ぬるいサスペンス。ハッピーエンドで良かったね。
原作は未読。CUREのようなサスペンス邦画を期待してましたが序盤から飽きてスマホ片手に見てました。
「病棟」のタイトルだけあって終始ホラーのような暗めの映像は雰囲気が良かったのですが…
まずピエロ。ピエロの仮面をつけて銃を片手に、重傷の女の子を伴って病院を占拠。謎と恐怖だらけのサイコパス犯人ですよね。その割に話し方や情緒が駄々をこねる中学生にしか思えませんでした。その上坂口さんから不正な臓器移植手術の手がかりが掴めると匂わされれば大人しく従う従順さ。ピエロに騙された。入りがサイコなら終始サイコを貫いて欲しかったです。
そして永野さん演じるヒロイン。彼女が主犯格なのは途中から明らかでした。ピエロに連れてこられた経緯が明確でない、生活感が薄い、撃たれて重傷だった割に精神的に落ち着きすぎ、これは何かあると思わざるを得ない。あと疑問なのは、自分を撃たせて病院に連れて来させるという大胆な計画ですが、まず本当にその病院で治療できなかったらどうしてたんだろう?偶々坂口さんが居たから良いものの、元から病院で働く看護師たちは軒並み「手術不可」と言っていたので無計画すぎでは?ザルみたいなセキュリティの病院ならもっと他の侵入方法あったと思います。腹部を撃つって相当ですよ。ピエロと同じく入りはいいのにその後無し崩し。うーん残念。まぁ最後坂口さんの魂のシャウトで復讐をやめるくらいですし。熱し易く冷め易いんでしょうかね。
最後に坂口さん及びエンディング。まず坂口さんの「彼女を亡くした過去」ってこの映画で必要だったんでしょうか?大切なものを失った者同士分かり合える、っていう事なんでしょうが、常識的な倫理観を備えてる者なら分かり合えるのでは?彼が選んだ告発という道(告発会見ってあんなすぐに開けるんですね、あと一般人に対してメディアが辛辣で笑えました)はヒーローあるあるですし彼の過去と先輩との微妙な距離感って不要に思えました。
彼に一番ガッカリしたのは先ほども書きましたラストの魂のシャウト!終始冷静すぎる態度だった坂口さんが今にも復讐を果たそうとしている永野さんに届けとばかりに精神論満載の熱いメッセージ。その冷静さで永野さんの正体早々に掴めたでしょ。あんな冷静一徹じゃ緊急事態で動転していたとか言い訳できませんね。「人はみんな繋がっている」って笑 ごめんなさい、私は「だから何?」スタンスで復讐を遂げるストーリーが好きなんです。何なら彼には暗い過去に苛まれすぎて院長からの口止め料を受け取るくらいでいてほしかった。
高嶋さん、江口さんは素晴らしかったです。何かを隠す病院の気味悪さをこのお二人が底上げしてくださいました。良いところはそこだけですかね。
スマホ見ながらだったので部分的にちゃんと観れていませんが2度目を見る気はないです。