街の上でのレビュー・感想・評価
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駅前は変わったけど...
演劇、音楽、映画、路地、古着、古本...。 駅前はすっかり変わってしまったけ、今も変わらない下北沢の文化。一度は住みたいと思ってた方も多いのでは。 そんな下北沢で生活する若者達のストーリー。登場人物それぞれのキャラが良い。それが組み合わさると面白い化学反応が起きて、物語が展開していきます。下北沢の魅力も一杯!見終わったあと下北沢に行ってしまいました。
これが恋で、これが映画だ。
全ての会話が微妙に成立しないというリアリティで語られる、有りそうで無い恋の寓話に乗れた。 何故好きか?と御託を並べず、若者はとにかく恋をするという大前提で物語を転がしきる監督の自信漲る筆致を買う。 これが恋で、これが映画だ。 長回しに映える中田青渚の胆力に注目。 支持。
男女間の会話が面白い
下北沢の古着屋で働く荒川青(若葉竜也)は彼女(穂志もえか)に浮気され、別れ、落ち込んでる時に、学生の自主映画への出演依頼が来る。本を読む役という事で古本屋の女性(古川琴音)に携帯で撮影してもらって練習したりし、自主映画の監督(萩原みのり)の撮影に臨むが、ガチガチでうまくいかなかった。その日映画撮影の後の飲み会で会った城定イオ(中田青渚)とこれまでの恋愛事情を話してて、結局家に泊めてもらい、翌朝・・・ってな話。 女性4人と青との会話が普通の話題なんだが、面白い。 特に道端で偶然遭遇した男3人.女2人の計5人の会話が特に笑える。 個人的にはイオ役の中田青渚がナチュラルな関西弁で良かった。 たまたま観賞したのが今泉監督とのオンラインティーチング付きで、皆さんとの質疑応答や裏事情が聞けて、この作品に対する深みが増した。 良い作品です。
最高です
実に楽しみにしてた作品でした。 で、それは皆も同じだったのでしょう。公開初日でもない平日の昼間なのに満席です。 一番の目的は若葉竜也、彼が主演なのですから気になってしょうがない。 「愛がなんだ」では、彼が演ずるナカハラが一番印象に残ってたんですね。だから本当楽しみでした。 物語は下北を舞台にした青春偶像劇。 序盤は若者達の日常をそのまま切り取ったような感じで、緩く静かに流れて行きます。 が、それが実に心地良いんですよ。 僕自身下北は大好きで良く遊びに行ってました。 古着屋巡りにレコードにインディアンジュエリーに雑貨、それと知り合いが呑み屋やっていてちょいちょい朝まで遊んでました。本当色々な思い出があります。 だからかこの舞台が余計心に響くのかもしれません。 それと長回しもフィットしていました。あの感じ良いですね。 下北の雰囲気も中々よく出ていて、マスターがやっていた小さな店とかって本当あんな感じなんですよね。 そんなのんびり日常なのですが、後半は急にテンポ良く走り出し、散りばめられた伏線が気持ちよく収まっていくんです。 終盤の鉢合わせ場面なんてそのピークで、まるで「スナッチ」のような爽快感でしたよ。 本当、何処にでも誰にでもあるような身近な事なのですが、それが観客に寄り添っているようでした。最後の最後まで。 監督の描く街に漂うような、実に心地良い作品でした。 一言で言うと最高です。 子どもが生まれてからさっぱりだけど、久しぶりに下北行きたくなりました。
下北を宣伝する為の映画かな?
サブカルな街、下北 そこで古着屋で働く男と関わった女性達の織りなす物語 なんか下北万歳な雰囲気に押されてあまり共感できなかったな 話としては普通な感じ、可でもなく不可でもない感じ 若い頃に観たら下北って面白そ〜って信者になったかもしれんけど もう、いい大人なんでついていかなかった そうゆう意味では20代前半とかの若者には刺さるかもね 悪くはなかったけど もっと面白くなれそうな気がした 主演の人のガチガチの本読む姿は面白かったな
#33 最終的にはめちゃくちゃ面白い作品
冒頭は下北沢を舞台にしたインディーズ映画風。 下北沢という地理的にめちゃくちゃ狭い中で物語が進むのでマジに知り合いの知り合いは知り合いみたいな雰囲気。 ただの日常を描いた作品だと感じながら観ていたが、本物の朝ドラ俳優が登場するところから話が面白くなる。 この映画、公開が延期になってたら朝ドラ俳優の設定が面白く無くなるのでコロナ情勢が気になっただろうなあ。 若葉さんと中田青渚ちゃんの掛け合いがめちゃくちゃ良かったです。
映画館で。
下北沢の古着屋で働く荒川青の人並みで他愛もない。それでいて愛しくてちょっと笑える日常をやんわり切り取った映画です。最高でした!公開楽しみに待っていた甲斐がありました。 青がひとりで下北沢の馴染みの場所をうろうろします。最近店主を亡くした本屋、絶妙な距離感のマスターがいるバー、ふらっと立ち寄るライブハウス、時代の狭間に立つカフェ。 その中で起こるちょっとした変化だったり新たな出会いを通して青が成長してゆく…ってことではなくて。青は変わらずずっと青のままで、そこがなんか嬉しいのです。そんな映画です。 青に関わる4人の女性達がみんなかわいい。特に関西弁のイハ。おるおる、あんな感じの子ってなった。なにより3番目の彼氏おもろすぎるやろ!鍵回った瞬間吹き出しそうになった。 気まずい朝の鉢合わせ。男女5人のうだうだ噛み合わない会話。久々に映画館で知らない人達と笑い合ったな~。私の好きな時間。 生きてきた中で青やイハ、マスターや五叉路君。この物語の登場人物にどこかで出会ったような気がする。それは街の上だったかもしれないし、映画館の中だったかもしれない。本当に素敵な映画でした。今泉監督ありがとう!
下北沢のための映画
記憶の蓋をこじ開け、いろいろな感情が紐づいた思い出が、泡のように浮かび上がりました。 観終わったら、「珉亭」で飯が食べたくなってしまったし。 スズナリで舞台観たり、馴染みのバーでカクテルのんだりもしたくなり。 下北沢〜三茶エリアに住む文化人やまだ何者にもなってない若者は、なんでタバコが好きかなぁ、とか若い頃からの疑問がまた湧いたり。 演劇や映画などサブカル周辺に必ずいる様々なタイプの女性の姿に、甘酸っぱい青春の香りと、子どもみたいなダメな大人の男たちを思い出しつつ。 ラスト近くの5人の男女の言い合いシーンに爆笑。 面白かった。
若手俳優陣が光る日常エンターテイメント!
観たかった作品です。 良い!良いのです!好きです! 邦画ベスト5圏内がまたまた来ました。素晴らしかった。 まず、演者さん達に拍手喝采です。 若葉さん、主演の重責をしっかりやり切ってます。 いやー、若葉さんいーですねー。 青クン、居そう。いや、居るな。今、下北沢に。 そんな空気感作ってますし、人物像がくっきり見えました。 さーらーに、若葉さんと絡む四人の女優さん達がイイ! 皆良いっす。これまた、いそう。いや、居るな、下北沢に。うむ、吉祥寺にも?いるかも? 演出の力はもちろんですが、その演技、セリフ、セット、なにもかもがリアリティと創作の狭間な感じで良いのです。とっても。 リアルが過ぎるとドキュメントっぽくなっちゃうし、創作すぎると、「うそーん!」な印象に。 その「過ぎる」がないのです。全編。 男女の恋愛模様、関係は主に会話劇で描かれるのですが、リアルなんですよ。二人が作る空気。 サツバツ ドキドキ トキメキ カンチガイ ドッキン イライラ ムカムカ イイカモ タラタラ あるわー、あるあるだわーな感じがたまらんのです。 いろーんな人間関係の空気感を見せてくれます。 きっと製作陣、演者さん達が描く世界、演じる人物をビシーっとおさえているからなんでしょうね。 居る居るー!に思う方々が動けば、それはリアルな創作物語になりますよね。 それと、脇を固める演者さん達もイチイチ良いのです。ほんと、全員で下北沢を演じてる気がしちゃいました。 うーむ、合言葉は、 「共感者はいるかもしれないコダワリ」かな? 監督は下北沢が好きだからこう描いているのか? 斜め上(または下)から見てちょいと小馬鹿にしているのか?(笑)そのあたりも、かなりくすぐられる作りになっているなーって思いました。監督に聞いてみたいですね。 全てパラレルで進んでいるように見えて、狭い青クンの世界(下北沢の住人のメタ表現なのかな?)だからこそ、迎えるラストの極上のエンターテイメント的盛り上がり。今まで沢山のドラマでみた鉢合わせシーンのベストを観た気がします。 あと、伏線回収見事。気持ちいいです。 あぁ、面白かった!必見、傑作です。 追記:成田凌さん、恐るべしです。出演作にハズレなし。
映画において「共感」が全てでは無い
評論家連中も絶賛しているこの映画だが 自分は冗長で退屈に感じた。 例えば絶賛されているイハの家のロングカットのシーンも確かにキャラクターはかわいいし、今泉監督の役者をキュートに見せる演出力もさすがと思うが、「こういうことってあるよね」という「あるある」の狙いがはっきりとわかって15秒くらいで退屈になる。 要は 「あるある」からの「共感」 「共感」を呼ぶための「自然な演技」 「自然な演技」とバランスを取るための「不自然なシーン」 と狙いが全て見え見えで分かりやすく、咀嚼はしやすいが、心を揺さぶられるようなものが何も無い。 この「共感」というものが現代を支配していて 「共感」出来るか否かが映画の善し悪しだと思っている人が多い。 そこの価値観に合わせて作られる映画も多い。 今泉監督や共同脚本の大橋裕之が客に日和ったのかというとそういうことでもないと思うが これだけ客が書いた感想が手軽に見れる時代である。 それを意識せず無視して作るのは無理なのだ。 客の方はまるでSNSで「いいね」を押すように簡単に評価するのだから。 「共感」が重要視されるもう一つの理由としては映画や映像コンテンツが溢れていることに起因する。 NetflixやAmazonprimeはもちろんの事スポーツやアイドルやゲームだって劇場映画の敵である。 「敵」という言い方も適切では無いかもしれないが、要は時間の奪い合いをしている。 時間貧乏の客に「共感」をさせることで満足感を与えてあげる。 それが現代映画の手法だ。
今泉監督が描く世界にただ浸ってみる
観たあとで心に何かしらの痕が残るのであれば、それだけで十分。無理に言語化する必要なんてない。何事にも因果関係や物事に理由をつけるのは現代人が情緒不安定な証。下北沢の情景に身をおき、ただ純粋に作品の世界に浸ればいいんじゃん。 、と感じる作品。 コロナ前の世界が遠い遠い昔の世界に思えるのが、少し淋しい。
下北沢の大らかさに包まれた人たち
この作品の予告編も何度か目にしていて、必ずや観に行こうと決めていた。東京・下北沢という「街」を舞台に繰り広げられる、一人の男と四人の女とその周辺の物語である。古着屋、古本屋、自主製作映画といった、サブカルチャーを絵に描いたような場が舞台となる。監督・脚本は「愛がなんだ」で一躍注目を集めた、今泉力哉である。何度か予告編を目にして興味を持ったことはたしかだったが、今泉作品に触れるのは初めてである。また、前もって彼の作品に関する評判をよくよく聞いていなかった。それゆえに、見栄えの良いサブカルチャーの題材を切り貼りし、ストーリーが判然としない「何が伝えたいのかわからない」作品であったらどうしようかと半ば不安もあった。しかし、それは杞憂であった。それにしても、今年観た作品の中に、未だ「はずれ」といえるものがないのは幸いである。 主人公は、荒川青(若葉竜也)。古着屋で働いていて、それなりに接客するが、暇があればボーッと本を読んでいる。「佇んでいる」のがうまい。「佇んでいる」姿が妙に映える。恐らくは、本人にそういうつもりはない。そこがまた良い。そして、彼を取り巻く四人の女が登場する。一人目は、川瀬雪(穂志もえか)。の下北沢で何をやっているのかわからないが、ただわかっていることは、青の恋人「であった」ということである。浮気をして、青に別れを請う。二人目は、田辺冬子(古川琴音)。古本屋で働いていて、青の知り合いである。三人目は、高橋町子(萩原みのり)。青に自らが監督を務める自主製作映画への出演を依頼する。青の古着屋にはよく通っているという。四人目は、城定(じょうじょう)イハ(中田青渚)。町子の自主製作映画で衣装係を務める(それにしても、昨年から今年にかけて、若葉竜也と古川琴音の活躍はめざましい)。これほどの女性たちを引き寄せるのは、青の佇まいがそうさせているのだろう。これといった魅力を挙げるのならば、やはり「佇んでいる」のがうまいというのが一番だろう。特にこれといった強みがあるわけでもない彼の長所は「佇まい」であるといって過言ではない。 青は、雪に「別れたい」と告げられたのちに、町子から自主製作映画への出演を依頼される。そこから「街」の物語が産声を上げる。下北沢という小さな街の中で、小さな物語が動いていくのである。これといったヒーローは登場しないし、それに、これといった悪者も登場しない。小さな街の人間模様が穏やかに描かれていく。サブカルチャーに関心のある人々には心地の良さを感じさせる。そうでない人々にとっては、決して刺激が多い作品ではない。きちんと楽しませてくれる。というのも、青は、いざ話してみると少しズレている。それに呼応するかのように、四人の女他周辺の人々も、随所で空回り感を醸し出す。心の中で「え?」とか「は?」とか言ってしまうようなことを言ったりしたりするから、こちらは穏やかな雰囲気に呑まれて居眠りをしてしまうようなことはない。彼ら彼女らには下北沢で生きているがゆえに既成概念にとらわれない独特の大らかさが備わっているのだろう。普段私たちが生きている世知辛い現実世界とは一線を画した世界であることはたしかである。「この世界に入りたい」と思う人がいると聞いたが、鑑賞した後ならその気持ちがよくわかる。
あと1時間は観ていられる
130分間とても居心地が良く、本当に楽しい映画でした‼️ 特に、主演の若葉竜也さん。 独特の声質からにじみ出る、頼りなさげな存在。 まるで草食動物のように、ずっと草を「モグモグ」と食べているかのような、あの感じ。 ヒツジの仮面をかぶったヤギのように、 相手に独特な安心感を与える。 そして、みんな大好きになったあのシーン。 なんの危険も無い「ヤギ」のような「青君」と、中田青渚さん演じる「イハちゃん」との長い会話。 イハちゃんの関西弁と、青君の独特な声の会話は、なんと17分間ワンカット。 少しセリフを噛むシーンもありながらも自然に最後まで進んでいく。このシーンは、なんか男女の会話をのぞき見しているような、不思議な感覚に。 エンディング前の、あのシーンは映画館内は笑。 今泉監督としては、初めて場所(下北沢)をテーマにした作品だったそうで、当初主役「青」の役名は、「土地男(トチオ)」という案だったそうです。そのほか「五差路(ゴサロ)」という候補も。
映画の好きな人が作ったコメディ映画
映画の好きな人の作った映画だなあ、と感じました。映像が綺麗で、長回しのシーンなど見事です。たぶん、いろいろな映画のネタを取り入れているのだろうと思いましたけど、私には見分けはつきません。 全体としてはコメディ映画の作りと筋書きですので、笑いながら見るべきなのでしょう。 居酒屋のシーンで壁に映画「嵐電」(私の評価は低い)のポスターが貼ってあって、ああ、この手の作品の好きな人が作ったのだなあ、と思いました。 従って「嵐電」と同じく空回りしてしまい「女性の皆さんが美しい」「男はいつもダメ」で終わってしまっています。 私でも感じるダメな点をひとつ、煙草で時間を持たせる描き方は古い。減点ものです。映画館が臭くなりそうです。 それにしても観客は3人だけ。
草食系コント
下北沢の古着屋で働く読書が好きな27歳の男と周辺人物達の日常と恋愛と、という話。 一応全編を通してストーリーはあるけれど、Liveハウスに飲み屋に古本屋に喫茶店に聖地巡礼に…and moreと5分ぐらいのシュールなコントで下北沢及び下北沢民イジり?を積み重ねていく展開。 なんだかぬろ~っとした話だし、自分からしたらハッキリしない人達だけどwそれが今っぽくもあり下北沢っぽくもあり、なかなか面白かった。 劇中でトリウッドが少し出て来るけれど、今作を公開していないというのもネタだったら凄いなというのは勘繰り過ぎかw
出来の悪いコントのような作品
若葉竜也はその容貌のせいかチンピラみたいな役が多いが、仲野太賀が主演した「生きちゃった」では主人公の友人武田をナイーブに演じていて、とてもよかった。しかしそのあとの映画「朝が来る」ではまたチンピラ役だった。 本作品は「愛がなんだ」の今泉力哉監督作品。「愛がなんだ」は失礼ながら「赤ん坊が泣いているような映画」だと評させていただいた。登場人物の若者たちが、暴走する自意識とつまらないプライドに動かされて思いやりに欠ける言葉をぶつけ合う群像劇で、星2つが限界だった。何故か観客は若い女性が多かったことを憶えている。本作品も同じように若い女性客が多かったので、鑑賞前から悪い予感がした。 本作品の若葉竜也は繊細な演技をしていたが、台詞があまりにもチープで、せっかくの若葉竜也のいい演技がまるで心に響いてこなかった。「愛がなんだ」と同じように、本作品の登場人物の若者たちは互いにプライドを傷つけ合おうとするばかりで、愛がない。共感はあるが愛がないのだ。そして共感を愛だと勘違いしている。同じ花を見て美しいと思うのは共感であって愛ではないのだ。しかし登場人物の誰もそのことに気づかない。 ときには同じ花を見て美しいと思わない人もいるだろう。本作品の登場人物はそういう人を排除する人たちだ。「思わないんだったら別にいいよ」「別にいいよってなんだよ」等々の台詞がすぐに思い浮かぶ。若者たちによって日常的に使われているであろう台詞である。本作品には非日常的な部分が一切なく、すべてのシーン、すべての台詞が日常的だ。 日常的な台詞が悪い訳ではない。しかし映画や小説は「異化作用」といって、これまで普通に受け止めていたことに改めて別のスポットライトを当てて違う見え方をさせることで、人生の真実や世界の真相の一片に迫ろうとするものだ。観客や読者はときに不安になりときに恐怖を感じながらも、新たに示されたものの見方によってこれまでと違って見える世界を理解しようとする。ホラー映画もいい。コメディもいい。トラジディも文学作品もいい。どんな作品でも「異化作用」があれば心を揺さぶられる。 本作品のジャンルがコメディになるのか青春群像劇になるのかわからない。登場人物は日常的で当たり障りのないセリフを喋る。確かに自分たちも普段使っている言葉だから登場人物に共感はできるだろう。しかし感動はない。胸を打たれる、心臓を鷲掴みにされるといった言葉で表現されるような感動とは、程遠い作品である。感動のなさは「異化作用」のなさに由来する。 本作品をコントだと言ってしまえば言えなくもない。しかしそれにしては間延びしすぎてテンポが悪く、台詞はLINEのスタンプのようで底が浅い。今泉監督は青春を描きたいのかもしれないが、青春は心のうちにカオスを抱えたドロドロしたもので、本作品の登場人物のようなプライドバカ、共感バカには表現できないと思う。本作品も星2つが限界だ。
『街の上で』を観る。今泉力哉監督の「若葉いけー!」「中田やってまえ...
『街の上で』を観る。今泉力哉監督の「若葉いけー!」「中田やってまえー!」という声が聞こえてきそうな演者への信頼と愛に満ちた映画。登場人物たちは悪戦苦闘し、結局状況は変わり映えしないかもしれない。それでも圧倒的に肯定的なものが残る愛すべき映画です。 あと、オール下北沢ロケと聞いて、「あの店映ったりするかなー」と思いながら見始めたら、オープニングがその店のシーンからだったので、「いきなりかよ!」と心の中でツッコみました。うん、小沢健二「アルペジオ」にも登場するあの店。
下北沢に行ってみたい
自分は生まれてから、現在まで札幌在住なので、出張で東京に行っても下北沢までは足を運んだことはない。 本作では登場人物全てが魅力的で、また、本当に下北沢にずっと住んでいるような佇まいだ。 どこにでも居そうな若者のふれあいを、こんなに面白い映画にしてしまう今泉監督は見事。 初めて映像で「マヒトゥ・ザ・ピーポー」を観た(妻がファン)。 コロナ禍が開けたら、下北沢に行ってみよう。
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