「不器用な大人たちがちょっとずつ傷つけあいながらも人との繋がりを持っていく作品」街の上で you takaさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用な大人たちがちょっとずつ傷つけあいながらも人との繋がりを持っていく作品
特段山場があるという感じではなく、割とシュールな場面があり面白くて最後まで見終わっていた。
サブカルの街・下北沢の体現なのか。関東の見識がないため、あるあるという共感は出来なかったが、こんなイメージなのかなという印象は受けた。
全員が全員ちょっと他人に気を使っているけどちょっとずつ他人を傷つけているのがもどかしい。
火種になる女たちと重い男たち、全員が何かちょっとずつおかしい。
この人が喋ると安心みたいな真人間タイプがいないので誰が喋っても若干ソワソワする。
恋愛群像劇と評されているが、広義では恋愛か、、という感じだが、いわゆる恋愛とは異なるよなという気がした。「他に好きな人が出来たから浮気した上で別れたい女とそれでも別れたくない男」、「好きな人に2番と言われてもなお好きでいる女と1番の女に振られたら2番のお前と付き合うと平然と言える男」、「結婚した男しか愛せない女」、「失ってから気付いて身勝手に元鞘に戻る女」、これを恋愛という安直な言葉で括ってしまっていいのか。
個人的に一番恋愛を感じたのはイハと荒川青が話している時に、イハが「私たちって付き合ったらあかんな」みたいな付き合うという言葉をちらつかせるあたりが一番恋愛っぽさを感じた。
とは言え、イハもイハで”荒川青が同じのでと頼んだ時に自分が頼んだものと同じものを頼んだり”、”ホームに行こうといいつつ本当にホーム(家)に連れていく”あたり、意図が伝わらない系女子になっていてもはや往年のアンジャッシュかという感じだった。
初めて会った男を家に連れ込んだ割に何をしたかったのかという所となんで平然とそいつを泊めれるのかという、掴みどころのないキャラと言えばそれまでなのかな。
最後イハが古着屋に来たシーンで登場シーンカットされたかどうか聞かれた時に、カットされていなかったと彼女が返した所が疑問だったが、上映されたその日に古着屋で本を読んでいる荒川青を見たことで彼女の中では作品が完成したのだとするとますます掴みどころがないな。
見終わって感じたことは結局誰も何も成長してないよなっていう。
登場人物が何か成長したことによって満足感がある人にとっては何の作品だったんだろうという感じかもしれませんが、芸が細かい部分が多いので考察系なんかを見て改めてみると面白いかもしれません。