「ジェニファー姉さん!」ハスラーズ Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェニファー姉さん!
そこまで見る予定はなかったがアト6でのプッシュを聞き鑑賞。
中々面白かった。
ジェニファーロペスがプロデューサーを兼任して、出演自体はノーギャラで請け負っているという気合いの伝わってくる熱演が印象的。冒頭のポールダンスシーンは特に力が入っており、登場と同時に映画を支配していた。
ストリッパーという若干センシティブな業界を題材にする以上、そのリアリティが嘘くさくなると途端に話全体に甘えが生じてしまいかねないが、ジェニファーロペスが冒頭のダンスシーンで話のトーン全体にぐっと背骨を通している。
とにかく先ずはジェニファーロペス。
これに尽きる。
主演のコンスタンスウーの佇まいも良かったが、そのほか脇役ストリッパー達もいい味を出している。特にカーディBとリゾはやはり印象的。役者として演技が達者なのかどうかはわからないが短い出演時間でとてつもない爪痕を残している。
アト6でのジェーンスーの解説の通り、この映画は単純なフェミニズム的メッセージを押し出す映画ではないが、やはり出演する女性陣の団結は強く感じる。
ストリッパーの話でありながら主要キャスト誰もトップレスになるシーンがなかったのは突っ込みどころではあるが、この話はストリッパーを通して 性的な何か を浮かび上がらせたいわけではないので、足りない という印象はない。
話の枠組みはいわゆる グットフェローズ型 とでもいうべき内容。ある時代の中を生きた人々の栄光と没落を大河ドラマのように駆け抜けていくストーリー。
Jloの役はスコセッシ作品のデニーロをイメージして脚本を書いたとの話なので意識的なのだろう。
この映画は 事実を基にしている とのこと(本当かは知らん。ファーゴ方式で嘘かも)だが、話の根幹にあるのは リーマンショックをめぐる持つものと持たざるものの話だったと要約できなくもない。金融危機をめぐる問題意識の目線は制作に名を連ねているアダムマッケイ(マネーショート監督)の役割が大きいのかな。
派手な印象の強い映画だが、女性の息苦しさやウォール街への不信感、貧富の差(最近本当にこれ多い)など切実な問題提起がふんだんに盛り込まれているいたって真面目な映画である。
グッドフェローズ型の話としては尺は若干タイトな110分という上映時間だが尺としては うーん 若干間延びしている感がなくもない。
金儲かったぜ! イェーイ! からのがーん↓
のくだりを2回入れる必要はあったのだろうか。。
リーマンのbefore after をきちんと見せるためには2回必要だったのかも知れないが、単に山と谷が2回来た以上の意味を持たせられていればより話としての出来が上がった気はする。
まあイチャモンレベルの不満だが・・・
賞レースから今作はほぼ完全に無視されているようだが、全然引っかかって来ても不思議でない作品。
おすすめに従ってきちんと見て良かった。
※ウィルフェレルは制作でどんな役割を果たしたんだろう・・・
俺たち~シリーズのつながりで参加しのだろうか笑