「損得勘定の先にあるもの」ハスラーズ grantorinoさんの映画レビュー(感想・評価)
損得勘定の先にあるもの
本作はリーマンショックで食い詰めたストリッパー達が、その原因をつくったウォール街の金持ち達をカモに金を巻き上げていく痛快復讐劇だ。
同時に血縁のない者達が身を寄せ合い、生計を一にする擬似家族映画でもある。
ただし、アジア映画系のしっとりした感じではなく、カラッと明るいノリで見せてくれる。
リーマンショックで損をさせられたら相手から逆に金を巻き上げるという一見「損得」の話であるように見せかけて、損得勘定を超えた彼女たちの友情、愛情に心が温かくなる。
薬を盛って不正に金を引き出させるという手口から、本作をただの犯罪映画だと断じることは容易だ。
しかし、必死に暮らしていても生活がままならず、法は何故かそんな状況をつくったウォール街の金持ちを守るという、彼女達からすれば矛盾した状況において、法を守らない彼女達を断罪することにどれ程の意味があるだろうか。
法による裁きは、法により下される。
それ以上の非難は、彼女達への温かい眼差しに替わってもいいのではないか。
あと、ジェニファーロペスの腕がすごい。
コメントする