「この映画を観てなによりも言いたいこと。大好きな曲をぶつ切りにされる...」尾崎豊を探して はまゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画を観てなによりも言いたいこと。大好きな曲をぶつ切りにされる...
この映画を観てなによりも言いたいこと。大好きな曲をぶつ切りにされるのは非常に不愉快です。また、曲を作った人以外がこういった編集方法を行うことは、本人たちに失礼だと思います。まして尾崎は故人なのですから反論もできません。
中でも十七歳の地図を短いスパンで何度も切ったことには悪意すら感じました。映画を観て憤りの感じるというのは私にとって初めての体験です。
悪い意味で監督の名前を覚えておきたいと思わされたことも初めてです。佐藤輝監督は独創的・挑戦的な作品づくりをするそうですが、完全に自分の作品といえる場所でやってください。尾崎豊という名前を使わないでください。
尾崎が伝えたいことやその思いは、自身の曲に強くこめていると私は感じています。その曲をぶつ切りにするなんて、この映画の監督らは尾崎の曲が好きなのかどうか疑問に感じます。
最初と最後の女の子の映像は、若者に尾崎の曲を伝えていくべきだと言いたいように思えました。ですが、表現方法があまりに稚拙です。最初の女の子たちは尾崎に限らず、自分らの知らないコンテンツには同じ反応をするでしょう。癇に障る笑い方と話し方をする女子高生を切り取って今の若者として出されるのは、分かりやすい敵にされたみたいで残念でした。
最後の女の子はいきなりの取材で尾崎について聞かれれば、熱いの一言で終わってしまうのもやむを得ないでしょう。しかし劇場で流す映像なのですから、準備をちゃんとするか、もしくはもう少し曲について深掘りして聞き、映像を撮るべきではないでしょうか。
12月にNHKのsongsという30分番組で同じように若者に尾崎の曲について尋ねた映像を撮っていましたが、そちらの方がずっと出来が良かったです。
少し古さを感じるCGやPVを切り取ったような映像の連発も微妙でしたが、上記のマイナス点に比べるとまだ許せると感じてしまいました。
舞台裏映像やライブ映像を劇場で見れることは良い点なので星0.5です。何の工夫もなくこれらの映像を詰め合わせるだけの方がずっと良かったです。2500円はとてもじゃないですが割に合いません。
私は尾崎がすでにこの世を去ってから生まれた若者です。なので、当時の若者が尾崎のライブに行き感じたであろうメッセージや感動を少しでも追体験したいと思ってこの映画を楽しみにしていました。非常に残念です。