ザ・ピーナッツバター・ファルコンのレビュー・感想・評価
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悪くはないけど最後までコレ!って瞬間が無く
心温まるロードムービー
良い嘘
ハックルベリーは長年の愛読書で村岡花子訳のボロボロの古い文庫をもっている。それは、ベットにあったりトイレにあったり風呂にさえあったりする。なにげなく開いて、開いたところを読む。
この映画はA Modern-Day Mark Twain Fabelと評された。指しているのはハックルベリーだろう。筏で放浪するところと人の純心が似ている。
ちょっと嫌な言い方だが、映画にダウン症の人が出てきたばあい、必ず彼は純心をもっている。Where Hope Grows(2014)もそうだった。
おそらくハリウッドにはダウン症役者枠があると思う。この映画の主演Zack Gottsagenも柔和と朗色を持ち、ダウン症ではない人では、ぜったいに出せない魅力がある。
そんな彼と、リアルライフで逮捕歴を更新するシャイアラブーフの凸凹コンビが、映画の面白さの前提にある。
おイタのエンタメニュースを知っているせいで、映画でシャイアラブーフを見ると、役柄によらずキレっぽさみたいなものを感じてしまう。その硬とZack Gottsagenの柔が、映画に映画的ダイナミズムを及ぼしている。
おそらく意識したキャスティングであり、ふたりはハックルベリーフィンとジムにも重なる──という構造を持っている。
映画はリアルだけれどリアリティにはこだわっていない。たとえば、映画なんだから、きれいな女優が演じているという合理を差っ引いても、この映画のダコタジョンソンはきれいすぎる。一介の施設看護師にはとうてい見えない。
リアリティに対して大らかなのは、この映画の解決方法にもあらわれている。
現実には解決できない話を、映画的飛躍で──強引にまとめてしまう。
滑稽なこけおどし、なだけのピーナツバターファルコンがサムをリフトアップしてぶん投げる。
ただしそれは映画的強引だけれど、この寓話の解決には合致している。それどころか、感動する。
巨体を持ち上げるときスローモーションになって、ザックの力み顔に寄ったとき、目頭が熱くなった。
Mark Twain Fabelが頷ける心優しい映画だった。
ラブーフは公開前にまた何かで捕まって一時は公開さえ危ぶまれた──とwikiに書かれていたが、映画は、いずれの海外評もかれに対する隔意を越え、称賛で占められた。わたしも同意です。
プロレスにハンディキャップなど無関係
ハンディキャップを抱える者を「弱き者or守られる者」というくくりにしない作品は、それこそファレリー兄弟映画が有名だが、本作はそこから一歩飛び出し、ロードムービー形式に仕上げた。
何よりも、実際のダウン症患者であるザック・ゴッツァーゲンの存在感たるや。彼の演技力を生かすために本作が企画されただけあって、堂に入っている。
トラブルメーカーとして追われる漁師役のシャイア・ラブーフも、プライベートでしょっちゅうトラブルを起こしているだけあって、こちらも適役。
そして何よりも、あらすじのキーポイントにプロレスを据えているのが重要。何でもありな虚構の世界で輝くプロレスラーが、ダウン症の青年をリングに導く。
WWEが片足のレスラーをデビューさせたように、日本にも「ドッグレッグス」という障がい者プロレス団体があるように、全ての人間がプロレスラーになれる。そこにはハンディキャップなど存在しない。
『ザ・レスラー』、『ファイティング・マイ・ファミリー』同様に、本作に登場するレスラーもイイ人。
本作で、元レスラーのジェイク・ロバーツとミック・フォーリーが役者の顔を見せているのも、彼らが「観られる」ことを十二分に理解しているからなのだ。
《家》"Two bad-asses on the road." ル...
《家》"Two bad-asses on the road." ルールナンバー1はパーティー、スゴくよかった!いざ大冒険へ!この心温まる小作品 = インディーっぽさを味方につけた良作は、何よりも大事なことを教えてくれるような素晴らしい映画の魔法(最後には文字通り...?)でした。ここでは作り手の温かな眼差しに見守られながらも、日常に根差した些細な感覚を大事にしながら非日常の冒険に出る愛しさがある(そうコレははじめてのおつかいか...!)。だからこそ普遍的に響くものがある。演技、演出、脚本、音楽どこから読み取っても琴線触れまくりで素直にいい時間。
『チョコレートドーナツ』ミーツ『リトル・ミス・サンシャイン』(←プロデューサー一緒らしい) --- 親に捨てられ高齢者施設から脱走したダウン症の青年と、他人からカゴを盗み漁をしていることがバレて火を放ち逃げる青年。二人の間にはどんな些細な弊害も障壁も無く、あるのは友情と信頼度二人だけの特別な握手。そこに施設から彼を探しに来たダコタ・ジョンソン演じる職員も加わって、一行目指すはVHS擦り切れそうなほど見返したプロレス塾! 皆大切な人を失ったりツラい経験をしてきた彼らはまるで家族のように互いにかけがえの無い存在になっていく...わけだけど、それが押し付けがましく無く実に自然。だから始終ニヤニヤ微笑ましく見守ったり時に涙腺うるうるしてしまう。
シャイア・ラブーフ、一時期変な言動というより奇行目立ったりしていたけど、やっぱりいい役者になったな〜としみじみ思ったり。何より役者としてでなく彼自身がこの役柄のように、そういう分け隔て無く誰もが接せられるべきだと日々の中で生き難さを感じているからこその、映画祭に紙袋被ってきたりの行動だったのかな、なんて。そんなあれこれを本作で屈託なく打算なくじゃれ合う彼を見ていて思うのでした。
地味にいいキャスト。他にも亡くなった兄役にはジョン・バーンサル、カゴ燃やされて執念に燃える追手役にはジョン・ホークス。彼らもそういう心意気、本作製作の意図とかに共感したからこその出演だろうし、そう願う(だって絶対ギャラ高くないだろう)。エンディングで流れるRunning For So Long (House A Home)歌詞もスゴく作品の内容にマッチしていていい曲
温かいロードムービー
愛と冒険のロードムービー
兄を亡くして孤独な日々を送る漁師のタイラーと子どもの頃からの夢だったプロレスラーの養成学校に入るため施設を脱走するダウン症の青年ザックのロードムービーで「37セカンズ」を彷彿させます。タイラーの死んだ兄のマークは「ウォーキング・デッド」のシェーン役でお馴染みのジョン・バーンサルが写真だけで出てきます。前半は淡々と進みますが最後にはとても気持ちよく幸せな気持ちで終わります。
ザック憧れの人、ソルトウォーター・レッドネックというプロレスラーがやっている養成所に行くのが旅の目的なんですが、予想通りすでに寂れて廃業、でも肝心のソルトウォーターはとてもいい人で最高でした。「友達ってのは自分で選べる家族だ」って良い言葉ですね。
友達っていうのは自分で選べる家族だ
世間から見ればはみだしものの二人、ザックとタイラー。ルールを破ったりするけれど、当人同士の心根はいたって清らかに見える。それは”人生を楽しんでいる”からだ。
タイラーは言う。「俺はオリに閉じ込めていない」。擁護施設から抜け出したザックを捜して追いかけてきた看護師のエレノアをも説き伏せるほど、その言葉には力があった。そこからの三人の生き生きとした表情が、まあ美しい。その姿、はしゃぎっぷり、笑顔を見ているだけでなぜか涙がこぼれる。たぶん、僕自身が忘れそうになっているものがそこにあると知っているからだろう。夢物語だけでなく、辛辣な現実もきちんと描く。だからこそ、斜に構えることなく、晴れやかな心持ちになれた。
色気にクラッ
自分で選べる家族
元職場に放火したことから追われる身となった男、タイラーと、施設から抜け出したダウン症の青年ザックが出会い、それぞれの目的地を目指す旅の中での触れ合いを描いた作品。
明るげな性格に見えるタイラーも、漁師だった兄を失った孤独に苛まれている様子がちらほら。
ザックの夢を叶える為に彼を助けるタイラーだが、そんなタイラーも、純粋で無邪気なザックの存在により、孤独から救われている。
何事もそうだけど、誰かが誰かを助ける姿って、普通に見れば一方通行に見えがちだけど、視点を変えればしっかり支え合っていることって多いですよね。
また、全体を通して、緊迫のシーンが無いわけではないが、終始ホンワカで時間がゆっくり流れていそうな雰囲気の土地で気ままに旅をしている3人の画はとにかく温かで爽やかだった。
自分もまわりが結婚や仕事や出産やらで自由に会える友達も少なくなってきているなか、改めて友達ってのは良いなぁ~と。
人生一度、ピーナッツバターファルコンのような旅に出るのも良いのかな、と思わされた作品だった。
"リングネーム"
そうだ!マーク・トゥエイン"ハックルベリー・フィンの冒険"を現代に。
アメリカ南部の自然や景色に流れるカントリー/ブルースと雰囲気が良く、近代的な要素は薄れアナログな旅が始まる。
言い方は悪いが、ダウン症や障害を持った主人公を感動的に煽った演技や悲観的な描写で描く作品は数知れど、ザックのキャラクターは序盤の脱出シーンから常に勇ましく、未来を明るい方向に目指した行動に好感が持て、一人の男として逞しい。
ラストも現実的な現状を描かずに、夢の楽園へ、ここからが三人のスタート的な清々しい素敵な終わり方。
周りのキャスト陣も魅力溢れるキャラクターだらけで、一人一人に共感が持てる役者ばかり、特にブルース・ダーンとジョン・ホークスが渋い。
マシュー・マコノヒーの「MUD」を始めて観た時の感覚と似た雰囲気があるようで?感動的イメージからスルーしようと勝手に決めていたが、観て良かった。
組み合わせ
これも良かった😊
ストーリーより役者だね。
魂再生のファンタジー
優しい夢を見ているような映画だと思った。展開が唐突だったり、ご都合主義に思えたり、整合性が合わない気がしたり、何も具体的な解決の見えないふんわりした結末だったりも、夢を見てるのかもしれないなぁと思えば、納得できるというか。
背丈を越える草むら、滔々と流れる広い川、闇に火の粉を散らす炎。夏休みの冒険のような心弾む道程、時が減速したかのような心象的映像が、その感覚を強くする。
家族と思える人々との出会い。旅人を導く、盲目の宗教家や、かつてヒーローだった老プロレスラー。流れに身を任せ大河を下り行く行程。ペイントや装束で隼を模す自己奮起の儀式。どこかネイティブアメリカンの神話を連想させるような要素。
心に穴を抱えた者達が、互いに寄り添い、補い、楽園を目指す物語は、傷付いた魂の、癒しと再生の旅路と言えるだろう。
リアリティを求めず、ファンタジーとして感覚的に捉える方が、腑に落ちる映画かもしれない。
2時間だけでも旅をしよう
“ルールNo1、パーリー!” 予告も観たことなかったけど、...
“ルールNo1、パーリー!”
予告も観たことなかったけど、
日本版ポスターの印象がよく、
シャイア・ラブーフ主演だし
観るリストに入れていた作品。
今週の火曜日に観てきました。
あぁ、、これは観て良かった。。
なんかね、ほんと気持ちがやわらいだ。
観ているときも楽しかったし
観た後もあったかい気持ちになったし
決して派手なお話しじゃないけど
登場人物のみなさん、いい味出してるんです。だからちょっとベタだなぁと思わせるような展開も素直に楽しめる
ダウン症の少年ザック、
ちょっと心に傷を負ったはみだし男タイラー、ザックを追うエレノア
三人のバディ感に加えて
ジョン・ホークスやら
ローラ・ダーンのお父さんが
脇を固めてるし
にぃちゃん出て来て心で叫んだし
ジョンバサーー!
キャスティング素晴らしや
舞台もよかったなぁ
アメリカ南部の田舎の畑とか大きな川とか。
ゆっくりとした時の流れが心地よくて。
あれミシシッピーかなぁ?
あのシーンはちょっとドキドキしたけど
あと三人のバディ感が本当に素敵だったからアレだけはやらないでくださいよーと観ながら感じていたことがあったんです。
やりやがった!!
でも、直後にそれをやったのは
別の意味があった行動だとわかって
監督さんわかってらっしゃるなぁって、、
そしてね、作品の題名の意味が
わかったときは
ほんとおーー👏👏ってなりましたわ。
あのシーン大好きっす
もしこの作品をご覧になるなら
予告を観ないほうがいいかも。
楽しみは多いに越したことは
ないですからね♪
お騒がせ俳優の一人の
シャイアラブーフだけど、本作の撮影期間中にもやらかして公開が延期していたそう。
主演のザック君に窘められ改心したらしくオスカーのプレゼンターに二人が出ていたのをみてほんと良かったなぁと。
シャイアの自伝的映画
「ハニー・ボーイ」
今年公開が決定したし
シャイア役を演じるのが
ノア・ジュプ君とルーカス・ヘッジズ!
今から楽しみにしているからシャイアもう悪さするな、よ
「思い」、「出合い」、「努力」、「結束」・・・「さらなる前進」
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