劇場公開日 2020年2月7日

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「友達っていうのは自分で選べる家族だ」ザ・ピーナッツバター・ファルコン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5友達っていうのは自分で選べる家族だ

2020年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

世間から見ればはみだしものの二人、ザックとタイラー。ルールを破ったりするけれど、当人同士の心根はいたって清らかに見える。それは”人生を楽しんでいる”からだ。
タイラーは言う。「俺はオリに閉じ込めていない」。擁護施設から抜け出したザックを捜して追いかけてきた看護師のエレノアをも説き伏せるほど、その言葉には力があった。そこからの三人の生き生きとした表情が、まあ美しい。その姿、はしゃぎっぷり、笑顔を見ているだけでなぜか涙がこぼれる。たぶん、僕自身が忘れそうになっているものがそこにあると知っているからだろう。夢物語だけでなく、辛辣な現実もきちんと描く。だからこそ、斜に構えることなく、晴れやかな心持ちになれた。

栗太郎