「忘れかけた何かを思い出させてくれそうなキラキラした作品です。」ザ・ピーナッツバター・ファルコン マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れかけた何かを思い出させてくれそうなキラキラした作品です。
なんとなく面白そうで、良作の匂いがして、結構楽しみにしてた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと、良いね♪
大人のロードムービーと言うか、大人になってからの「スタンド・バイ・ミー」みたいな感じ。
ジョージア州の壮大な景色がとても綺麗で心が洗われる感じ。
主人公でダウン症のザックと孤独で少しひねくれて小さな悪事を働くタイラーとのロードムービー。
そこに看護師のエレノアが加わって、ザックのヒーローで目的地の「ソルトウォーター・レッドネック」が主催するプロレス学校を目指す旅。
頑なに夢を追いかけるザックと少しひねくれたタイラー。
でも、タイラーはダウン症のザックは普通に接している。それは別に特別な事ではなく、なんて事のない普通の事。
この辺りは他の方も書かれてますが、先日観た「37セカンズ」に近い物があるかな。
そんなザックとタイラーの旅がなんとなく始まるんですが、そんな2人の凸凹コンビがなんか良い感じ。
エレノア役のダコタ・ジョンソンは綺麗だなぁ♪
中盤くらいまでは目的も不明確な感じで、なんとなく旅をしているみたいな感じでしたが、筏を作ったぐらいからノリにノッて来た感じで、楽しそう♪
また、ガックリしているザックにオンボロのオープンのトランザムで颯爽と現れるソルトウォーター・レッドネックが格好いい♪
この粋な登場に心が震えて、ちょっと涙腺が緩くなりました。
日本ではプロレスをするのに殆どが団体に入る事になりますが、アメリカではプロレス学校に入って、そこで基礎を学び、経験を積んで、ステップアップをしていく。
WWEの様な大きな団体にいきなりデビューは殆ど無く、インディー団体からスタートが殆ど。
ソルトウォーター・レッドネックがザックのデビュー戦で手配するプロレスはインディー団体と言うよりかはバックヤードプロレスに近いかな。
でも、ピーナッツバター・ファルコンと対するサムは往年の名レスラー、ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツ。インディー団体での活躍は些か寂しい物がありますが、それでも元気な姿を見れたのは嬉しい。
ちょっとツッコミ所はエレノアやタイラーを追っているマーク達が何故かピンポイントで船旅をするタイラー達を見付けられた事w
GPSでも付いていたのか?と思えるくらいに結構正確。
エレノアも車の鍵を投げ捨てられてからの心変わりが早いw
もう、そこからはメッチャ楽しんでるしw
また、ザックことピーナッツバター・ファルコンがリングでサムを投げ飛ばす描写はちょっと投げ飛ばし過ぎw
ここだけコミカルと言うか、ギャグになっててなんか浮いた感じがするんですよね。
でも、そんなツッコミも忘れてしまいそうなぐらいの美しい景色と雰囲気にこの作品の酔いしれてしまいそうなぐらいの情緒が心地好い。
金も無いし、飲み水や食べ物だって心許ない。
でも、動き出したい衝動に駈られる事もある。
大声で叫びたい事だってある。
たまには馬鹿をやるのだって良い。
失敗するかもしれないけど、とりあえず動いてみよう。
そんな事を教えてくれる様な作品です。
くだらない事であっても、それを行動する事で何かを教えてくれそうなきっかけを作ってくれる、とてもキラキラした作品かと思います。
忘れそうな何かを探している人にはお薦めの作品かと思いますので、自分探しの旅の1つに如何でしょうか?
結構お薦めです♪