劇場公開日 2019年11月15日

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「現代ドタバタワンシチュエーションブラックコメディ」完璧な他人 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5現代ドタバタワンシチュエーションブラックコメディ

2020年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビット・ディ・ドナテッロ賞を受賞し、世界各地でリメイクされた映画である「おとなの事情」の韓国版リメイク作品である今作。

原作である「おとなの事情」は私は観ておりませんが、「最もリメイクされた映画」としてギネス記録に認定されているくらい伝説的な作品だということは事前知識として知っていたため、期待して鑑賞しました。

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食事会のために高級マンションの一室に集まった男女7人。和気藹々とした食事の最中、「自分たちには隠し事などない」ということを証明するために、携帯に届いた電話やメールを全員に公開するというゲームが行われた。次々とメールや電話が公開され、食事会がどんどんと修羅場と化していく。
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場に集まった男女は40年来の付き合いで大親友の男4人とその妻である女3人。自分たちには隠し事などないという前提の下で始まったこのゲームですが、届いたメールや掛かってくる電話の全てが火種となり、楽しい食事会は一転して修羅場となります。夫婦間のトラブル・男同士のトラブル・女同士のトラブル。それぞれの登場人物は何かしらの秘密を隠しており、食事会の最中に届くメールや電話でそれが露呈してしまうというのが基本的なストーリー構造ですね。
個人的には、古くからの友人である男達は都合の悪いメールや電話が届いたらそれとなくフォローし合ってるのに対して、元々陰険だった女性陣はあまりお互いフォローしあうような描写が無かったのはステレオタイプかもしれませんが男女の性差を表していて面白かったと思います。

携帯電話(スマートフォン)という最近の文化を上手く活用したワンシチュエーションの映画として非常に面白い作品ではありましたが、正直私は「もう少しやれたのでは?」と感じる部分が多くありました。美容整形外科医の男の投資話は意味ありげに会話に出てきた割にはストーリーに関わってこないですし。

「多くリメイクされた作品としてギネス認定されている」という前評判を聞いて「面白いから」だと思っていましたが、多分それだけではなく「アレンジのしやすさ」が大きな理由だと感じました。それぞれのお国柄にあったシチュエーションにアレンジしてストーリー展開させやすいので、各国の映画監督が「自分の国バージョンを作ってみたい」と感じるのでしょう。実際、今作韓国リメイク版の「完璧な他人」も原作には無い韓国要素が随所に散りばめられているように感じます。

日本版があったらどうなるのだろう。そう思わせてくれる面白い作品でしたね。三谷幸喜が面白おかしくリメイクしてくれるのを期待しておきます。オススメです!

【追記】
日本リメイク版が公開されましたね。自分は観ていませんが、評判はぼちぼちといった感じ。今後も各国リメイクが制作されるのを期待しております。

といぼ:レビューが長い人