「医療に従事する半人前の彼らの本音が胸を打つ。」人生、ただいま修行中 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
医療に従事する半人前の彼らの本音が胸を打つ。
ドキュメンタリーを扱った作品は、私にとって、「嘘」を描かないということが鉄則であると思い、安心して拝見できる作品に当てはまるカテゴリーである。
今回は、(私は、知らなかったが)結構有名な監督の作品であったためか。内容を深く理解できた。十人十色の実習生のキャラを伺い知ることが出来て、非常に興味深い作品に仕上がっていたと思う。相手が生きている人間との本音の会話で成り立つ職業であり、重責を伴う「医療」に携わる人間の成長を具に描いている。最初の「正しい手洗い」の方法も、「手指の衛生」は命を預かる者が怠ってはいけない基本中の基本。「医療に従事する者が学ぶべき第一歩」ではないか。(検査用のあの薬剤はしつこくて、完全に除去するのは結構難しい。)
最後の実習期間を終えた実習生とカウンセラーとの対話の「章」は非常に興味をそそられる。実習の感想(反省と後悔)が、実に生々しい。そのためか、感想が直に感動に伝わる。
これが、「ドキュメンタリー」作品の醍醐味。
フランスというお国柄なのか?実習中に、自宅に泥棒に入られて窓の修理をしなければと言う人もいれば、自分がこの世界に合ってないだのはという「生の声」が、結構考えさせられる所もあり、非常に興味深い作品であった。カウンセラーの心温かいアドバイスが、非常に心を和ませてくれる。経験値が高いレベルの人間でないと、このカウンセラーの職は絶対に無理だな思った。フランスという国は自由であると思いながら、一人々々が非常に自立している人が多いことにこの作品から断片的ではあるが、気付かせてくれる。だから、観終わった後、秀逸なものに仕上がっていると思えた。
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