イージー・レッスン 児童婚を逃れてのレビュー・感想・評価
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グローバル化。されど…。
粗筋だけで見れば、『デザートフラワー』と同じか?と思った今作。
『デザートフラワー』はまだ見ていないが、予告だけで見れば、逃れてから半生を描いたものか?
それに比べて、今作は単身異国の地で暮らす10代の少女の心の内側を丁寧に描く。
15歳で結婚させられることになりー映画の字幕では「お父さんが年寄りに”売った”」と母が言ったと表現される(思い出し引用)ー、母の計らいでハンガリーに単身でやってきた主人公・カフィアさん。
日本でいうところの、児童養護施設で暮らし、法律により18歳で自立支援施設に措置替えになるまでが描き出される。
児童養護施設なので、訳アリの他の少女と暮らし、高校にも通う。屈託なく、他の少女と笑い、職員を独占しようとそれぞれが動くところも微笑ましい。
そんな中で、徐々に周りに染まっていくカフィアさん。そりゃそうだ。同質性を高めながらも、自分らしさを大切にしたい思春期。年代的にも、ハンガリーで生きていくためにも必要なこと。
と、同時に、母を始めとする源家族の価値観から外れてしまうことへの恐れ。源家族は生まれた時からの基盤。
しかも彼女の生まれた時からの宗教は「改宗したら地獄に落ちるのだそうだ」なんだそれ。
留学等、自分の意思で異国・異文化に渡ってきたって、親との軋轢はきついだろう。
カフィアさんは、土地の風習に逆らって、未来を手にするためにやってきた。
でも『僕の帰る場所』のように親の都合で、異文化を異動させられる子どもも多い。
世界に垣根はないとはいうものの、自分のルーツをどこに置くか。下手すると根なし草のようなアイデンティティの格がない人間になってしまう。
ラグビーのダイバーシティは、大人になってからの選択。もしくはスポーツという周りと共有できる文化が核になってこそ。
そんな心の揺れを丁寧に描いた作品。
世界的トップモデル・ワリスさんのようともいわれ、モデルになるためのレッスンも受けているカフィアさん。ひょっとした表情が美しい。ポージングなどはまだまだだが、そんな彼女を眺めているだけでも、幸せになる。
UNHCR WILL2LIVE 映画祭2019にて鑑賞
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