難民キャンプで暮らしてみたらのレビュー・感想・評価
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難民でも前向きさに感動
難民というと卑屈な感じを受けるが、とても明るく、ポジティブに生きていた。自分達が悪い訳でもないのに…。希望を持たせることが、とても大事、大切なんだと感じました。
この映画を観てみたら、魅力的な人々に会った。
こういうシステムになっているのか…。
運営はUNHCRがしているけれど、
地元の警察が治安を守っていて、
でも、ちゃんと地区の長老もいて…。
砂漠に突然できた、人工的な街。
でも、永住が前提でないから、基本的なインフラ
―下水道すら整備されていない。よくぞ、疫病が蔓延しないで済んでいると驚嘆。
ー電気も皆が必要に応じて電線を引っ張っている。よくぞ、感電や漏電等の事故が起きないものだ。
UNHCRの職員は、国際観点・人道支援に関してはプロだけど、都市整備等の専門家じゃないと嘆いていらしたけれど、
難民となる前のプロフェッショナルな知識・技術を、難民としてここで暮らしている方々が、その前職の力を発揮して、暮らしているのだろうなと思う。
以前の知識・技術だけじゃない。ここにきてから活かせるようになったものもある。
そんな風にここでの暮らしを生きている人々。
テントを張る場面から、あっというまに人が集まってきて助け合い、交流の毎日が始まる。
そんな中で、出会った数人をクローズアップして映画が綴られる。
監督兼制作者の一人の父そっくりの人。
人懐っこい少年。
老夫婦。
難民キャンプの外で暮らす、ひとり親の家族。
…。
1か月限定のご近所付き合い。
まるで、思春期の頃のような付き合いに、観ているこちらまで楽しくなる。
勿論、この人たちには、少年でさえ、過去があり、
突然奪われたこれまでの経験とそれまで夢見た夢があった。
そして、未来を描く基盤がない。
かつ、基本的前提としては、経済活動を禁止されている。
思春期のような付き合いができるのも、いつ終わるとも知れない、何もすることがない時間があるからで、20代らしい青年の監督達にはいいかもしれないが、成年に達した男たちにとっては、自尊心を削っていくものであろう。
それでも、難民物のよくある「こんな大変な経験をしたかわいそうな人々」として描くのではなく、”ご近所さん”として描く映画。
だからこそ、余計にここに出演される方々が愛おしくなり、その未来を考えてしまう。
1度鑑賞すると、難民やUNHCRのイメージが変わるかもしれない。
(UNHCR WILL2LIVE映画祭2019にて鑑賞)
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