映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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基本的には素晴らしかったです
動いて喋るポンポさんキャラたちは魅力的でした。
各種追加要素もツッコませる隙を与えない良い勢いでした(≒ツッコミどころはある)。
ただし、挿入歌だけが邪魔でした。
ジーン監督が1人語りしてるところに(セリフと被らないとはいえ)幼稚な歌詞付きJPOPを流すのは鬱陶しかったです。曲無しかせめてインスト曲が良かったかな。
テーマはありきたりだが、スタッフの力量が俊逸。
既に口コミで評判が広まっている本作ですが、個人的には、ストレートに楽しむには多少なりともハードルがあるなと感じました。
映画人が主役で、映画内映画を作る・・自己言及的な作品ゆえに、「映画とはこうなのだ」という押し付けがまずあります。しかしながら、ぽんぽさんの原作者は映画人ではないため、やや言説が陳腐だったり、綺麗事めいていたりするので、まずそこをスルーしないといけません。
「何かを諦めなければ映画は作れない」とジーン君はいいますが、スケジュールは守らないわ、追加予算で撮影し直すわで、実はぽんぽさんの傘(スカート)の下で、すっごく恵まれた環境で映画を作らせてもらっているんですよね。なにかを「捨てる・諦める」っていうテーマと作中の内容がちょ~っとブレているのも気になるところ。
テーマ性を明確にし、それでいて映画に関わる有象無象のネガティブ要素(ある種のリアリティ)を不問とするため、「ぽんぽさん」という特殊なキャラ、「ニャリウッド」という架空の舞台設定がなされています。個人的にはありだと思いましたが、これもまた人を選ぶ要素のひとつかもしれません。
で、あらためて本作について簡潔に言ってしまうと、これ、たまたま題材が「映画」なだけで、ようは「冴えない少年が自分の夢を叶える熱血青春もの」なんですよ。映画は飾りです。音楽でもスポーツでも、なんだって成立するお話です。
先に述べたようにある程度リアリティを排除したうえで、ようは「夢の成就」と「人生の他ごと」をトレードオフする、その覚悟のさまを描いている。非常に贅沢な作画で、極めてテンポよく進むため、映像体験としての快感度が半端ない。上映尺を絞ったことでこのテンションはラストまで続きます。カットとカットのつなぎ、シーンの時系列をザッピングし、結果を先に見せ興味をひいてから過去に巻き戻るなど、かなりアクロバティックな事をやっていますが、これはこの監督のお家芸。映画の構成自体が「編集」の妙で成り立っているのが面白いですね。
ラストカットを見たとき、「え、これ90分でやりっきたの?」とびっくりしました。すごい密度です、ほんと。
監督の平尾隆之さんはマッドハウス出身で、以前はufotableで演出をしていました。「空の境界・第五章 矛盾螺旋」で映画初監督を経験。「まともに映像化したら5時間は切らない」と言われた畢生の大作を、2時間弱にまとめあげる手腕を見せます。ジーン君の鬼気迫る編集ルームでの描写は(このカットの演出と処理がまたすごい)、平尾さんご自身の心象風景だったのかもしれません。本作の監督として、これ以上の人選はないですね。
同じく監督作の「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」も本作に通じるテンションの高さとポップさ、感情を揺さぶる演出があって、是非見ていただきたいところ。
結局、ジーン君の映画がニャカデミー賞を受賞する頃、ぽんぽさんはさっさと別の作品に帯同して彼の元から居なくなってしまいます。捕まえたと思った途端、逃げ水のようにするりと遠ざかる。それもまたクリエイターと夢の関係性の暗喩かと。
ぽんぽさん=映画という寓意性はやや分かりやす過ぎるきらいはありますが、嫌いじゃないです、こういうの。
世間受けを狙った八方美人なフォーカスのボケた映画
前半のずば抜けた面白さと、後半の主題ブレッブレの失速っぷりの落差がすごい映画でした。
原作については未読だったのですが、視聴後に読んで見たところアニメオリジナルの追加された部分で主題が大きくブレたようです。
視聴後の感覚は最悪でしたが、前半の面白さとの落差がここまで激しい映画はなかなか見れるものではないので面白い経験でした。
「傑作だ!」…と途中まで思ってた
「長い映画よりも90分の映画の方が好き」
このポンポさんの台詞通り、今作の上映時間もきっちり90分にしてる所、凄まじいほどの誠意です!!
映画作りを題材にした作品は何個か観てきましたが、自分の中では傑作が多いイメージです。
映画愛を肯定してくれるし、作品作りをしてる場面が物凄く好きだからです。
今作も、そんな場面が非常に多かったです。
また、アニメーションもまた独特です。
全体的にアメリカのカートゥーン調で描かれていて、それによってコミカルタッチで軽快なトーンで展開が進められていきます。
オリジナリティがあって、ちゃんと世界観にも合っていました。
今作は編集作業に多く視点があたっていたのですが、その主人公ジーンが編集する工程がバトルソードで斬るようにシーンのカッティング場面を演出していて面白かったです。
また、女優のナタリーが水溜まりをバチャンと踏む場面は京アニっぽさを感じたり、ポンポさんの紹介場面では魔法少女の変身シーンを彷彿とさせたり、それぞれ日本のアニメオマージュも入ってたりして、観ていて面白いです。
ポンポさんの喋る台詞もかなり印象深いですね。
特に「泣ける映画で泣かすより、B級映画で泣かせる方が凄いでしょ?」といった台詞はなかなかグッと来ました。
また、映画業界の楽しさだけでなく、大変さもちゃんと映していたのもポイントが高いです。
主人公を演じた清水尋也の声質はどこか畠中祐っぽさを感じたりもしました。
正直前半までは「絶対これは傑作だ!」と思ってました。
...ただ、後半のストーリー展開ととあるキャラクターの声の演技でわりとガッカリさせられました。
ネタバレについてです。
銀行マンをやっているジーンのハイスクール時代の同級生がいますが、ジーンが監督務める映画が危機に陥った時に救おうとします。そのなかで融資を募るためにプレゼンを行うのですが、そのプレゼン方法が割りと引きました...
だって、その社内のプレゼンを全世界に配信させてるんですよ!?あれはクラウドファンディングだけの結果見せればいいから配信する必要なんて無かったと思うし、機密情報漏洩も甚だしいです(^_^;)
また、終盤でジーンが編集作業の大詰めで何十時間も一人で作業してるんです。
ハリウッド映画なのに日本映画くらいの劣悪さな気がするのですが...
あと、主人公が「映画を作るために何かを捨てなければならない」といった感じの思考を働くのですが、そのために体を壊しても構わないといった姿勢に複雑な心境で観てました。
何故なら、自分が過去にそれと同じような事をした後に意欲を失ってしまったからです。
声の演技でガッカリさせられたのは新人女優のナタリーを演じた大谷凜香さん。
元々女優で声の演技初挑戦を加味して観ても、正直キャラクターと声が分離していたと言わざるを得ないです。
今は声優が本業じゃない方でも上手い方は多くいます。なので、他の上手い方にやらせるか、彼女にもう少し演技指導をするべきだったと思います。
好きじゃない部分もありましたが、総合で考えると好きな方の映画です。
Filmarks等のレビューサイトでも評価高いので、好きな人は多いと思います。
ただ、個人的には絶賛するほどではありません。
エヴァ何回も見るならこっち見て!
本当にこの映画、タイトルの軽さで最も響くであろう映画ファンに届かないリスクがある。一度でも映画の裏側、映画がどうやってできていくかに興味をひかれたことがある人にはぜひ見てほしい。アニメなんだけど扱っているのはハリウッド映画の世界で、訪れる危機も製作費枯渇や再撮影、ストーリー山場の舞台は編集室(!)。映画と映画の成り立ちを舞台とした王道の成長物語を堪能させていただきました。なにより上映時間が素晴らしい(笑)。本編の編集プロセスではDeleteが強調されているけど、短くするにはDeleteだけではなくシーンの順番を変えたり回想を入れたり、方法はいろいろあるので、そういった手腕も触れてほしかったかな。
トモアレ、早くたくさんの人に見てもらいたい、また早く海外での評価を聞いてみたい!
良い
絵描きさんの間で「良い」と評判だったので観に行った。
映画が出来上がるまでの人々の奔走と新人監督と新人女優を立ててスタートする大プロジェクト、可愛いアニメなのに現場のシリアス感にグッと引き込まれた。絵がとにかく可愛い。マーティン・ブラドックの演技に熱が入ってて思わず息を呑んだ。「MEISTER」単体でも面白そうなのに勿体ない!と少し思った。
ポスターの背景のモブキャラっぽい人たちもちゃんと出てきた。
主人公ジーン君の決め台詞が?って少しなりました。独特…。この映画も90分!? 少し駆け足だけど上映後周りで「良かったね」という声が聞こえました。「カメラを止めるな!」を思い出した。
漫画が6巻出ているので読んでから観に行くのがとても楽しみです。
かわいい映像にプロ目線の脚本
映画の聖地ニャリウッドで、映画を一生懸命作る人たちモノ。
そして映画を作る映画ものの中では
「映画は、長いよりも短い方がいい」
という原作者の哲学が押し出されていて、作品の完成度を高めるために
「無駄なものを見極め、切り捨てる」
「少し効果的というぐらいのものも見極め、切り捨てる」
という新人監督の試練と成長が描かれている。
ただ繋いだだけの冗長なシーンと意識的に切り詰めて効果的になったシーンを対比的に見せてくれて、「実はこんなに違う」を教えてくれる啓蒙的な要素もあり。
良い作品を作るためにその実非情な決断を迫られているのだが、全体的にコミカルな作風に乗せているため重くなりすぎず、しっかりエンタメの範疇に収めつつ主題とドラマを見せてくれる。
あるシーンを切り捨てるのは、普通に感動させにいく物作りモノならまずしないこと。
だが本作では、ジーンが本物になった瞬間という象徴的なシーンとして成立していて、プロはもちろん一般観客でも「さすが」と思わせるだけのセットアップがある。
そういうわけで「プロが考える、かっこいい物作りのプロの姿」を遠慮無く打ち出した映画なので、現場の壮絶性が初めての人にはチクチク要素が随所に感じられ、感動はするものの感激まではいかないかもしれない。
(みんなで頑張って作ったから花丸、では回らないのだ。みんなで頑張って作るのは当たり前で、それが作品的商品的に効果的かどうかの次元で本作は全キャラクターの意識が共有されている)
また、この映画自体も「無駄はとにかく省いた方がいい」で作られていて、その「無駄」の判定は映画をこよなく愛してきた熟練の作者基準なので、
・1つの場面が多くの情報を兼ねる激しさ
・シーンの切り替わりの激しさ
・言葉で説明せず、描写で語り続ける濃密さ
は、作者レベルの玄人でないと「ついていくのが精一杯」になりかねないかも。
「ハマりきる(感情が確定され自覚される)前に、次のシーンに行ってしまう」というか。
いわゆる
「感性が磨かれきっており頭が非常にいい監督・原作者が、彼らの高い能力基準で最高のものを作った」
という作品になっている。
ちょっと、マスに向けて打ち出せるスピード基準を超えているかなと。
映画漬けのファンやプロのクリエイターにとっては「これだよこれ」と堪能させてくれる作品であることは間違いないと思う。
また、初回で「そこそこ面白かった」の人も、映画をさらに観続けて数年後にまた観たらかなり違うかもしれない。
自分としては、かなり楽しませてもらえた作品だった。
原作既読者として
原作既読者としては駄作ですね
原作をなぞった前半は幾つかのシーンのカットを覗けば十分満足できる出来。
しかし後半のオリジナル部分が寒すぎる。
ジーンの人格まで改悪して何を伝えたかったのか。
原作者が「映画については監督に丸投げしました」と予防線を張っていた意味がよく分かりました。
原作未読ならまあまあ楽しめたかも知れませんが既読者で絶賛している人は何を読んでいたのかと問い詰めたい。
あららンド
やりたいこと いいたいこと なんとなくわかる
でもね ノイズが多くて
人材確保は直感パシリ上等海外ロケ即興撮影資金調達朝飯前成功の代償が過労で入院監督デビュー即受賞
90分じゃとても足りないようです、、
映画が好きな自分を肯定してくれる映画(NOT映画制作)
作画もリッチで映像も綺麗でキャラクターもかわいくて良かった
なので他の題材にそのリソースは割いてほしかったなぁと思った
まず、劇中で作ってる映画がクソつまんなそうで
絶賛してる人たちもこれはどうやっても擁護できないレベルだと思うんだけど
みんなが心血注いで作るに値する映画には到底見えなくて
建物の基礎からぐっちゃぐちゃなのでそこに何を載せても崩れてしまう
これに尽きる
あとはもうどうでもいいんだけど
「映画は自由に作っていい」って巨匠に言わせておいて
主人公がこうでなきゃいけないって強迫観念に駆られて最後まで通してしまって
作品内で自己矛盾してるのがイラッときた
リアルにしたいのか抽象化した世界を描きたいのか最後までわからなかった
たぶんなんでニャリウッドって舞台にしたのか作り手も一回も疑問に思ってないんだろうな
原作がそうだからそうした以上の意味付けがなかった
架空なら架空でいいんだけど映画作りって現実でしょ?
銀行の融資とかもう映画業界以前に世の中を舐めすぎでは?
最近だとワンハリとかマンクとか
内幕モノって実際にあったこととかありそうな事で興味を牽引する部分が大きいと思ってて
結局ごっこ遊びに終始していて現実ではあり得ない陳腐な妄想や
少なくとも架空の世界の架空の出来事でやるにはすこぶる不向きな題材だと思うんだよ
逆説的に情熱だけじゃどうしようもならないものがあるって証明してしまった感じがする
土下座とか完徹とかブラック労働最大手のアニメ業界らしいっちゃらしいけどよ
これを臆面もなく作れちゃうってどんだけナルシスト
等身大の主人公たちが頑張る姿を見ていたら、こちらも「元気」を貰ったような気がします。
予告映像にタコと水着美女のシーンが
あったことを後で思い出した程度の
ほとんどノーチェックの作品でした。 (汗)
なのに気がついたら劇場のシートの上。 (…。)
またです。 けれど
この作品中でポンポさんが言っていた (気がする) のですが
「何かを感じたのなら、それを自分が信じなくてどうするの」
そうですね。
というわけで鑑賞です。
…で
細々とした感想は置いといて
「純粋に、面白かった」 です。
ポンポさんって誰? とか
全然知らないシリーズもの? とか
若い人向け作品かしらん とか
楽しめるか不安な要素が脳内にあったのですが
途中からすっかりどこかへ消えてました。 はい。
◇
映画が大好きなジーン君が
映画が大好きなポンポさんに出会い(拾われ?)ます。
ジーン君、ポンポさんの次回作でメガホンを握ることになり
監督として作品作りにのめりこんでいきます。
慣れないながらも、必死に取り組むジーン君。
その作品で、いきなり主演女優に抜擢されたナタリーさん
オーディションに落ちること30数回…。
ポンポさんが「光る何か」を見つけてこれも大抜擢です。
10年ぶりにスクリーン復帰の大ベテランは
俳優マーティンさん。
アカデミー賞、いやニャカデミー賞6回受賞の世界一の俳優。
ポンポさんが祖父を動かして出演が決定。
このような登場人物を中心に撮影が進み
無事完了。
あとは編集。
膨大な時間の映像を 切って 切って 切って
「この場面も切るんですかぁ」 とナタリー。 涙目…
ふとジーン君が気付く。
どうしても足りないシーンがある事に…
シナリオに無いシーンを追加で撮影したい と
ポンポさんに切り出すジーン君。
「どうしても必要なの?」
「…」
さあどうするジーン君…
というお話です。 (…雑っ)
◇
登場する人物がどんなキャラクターなのかも
ほとんど知らないで観たのですが
ストーリーはすんなりと頭に入ってきました。
登場する人たちの
「自分はこうしたい。こうなりたい」
という思いが画面から伝わってきて
心の中で終始、応援団がエールを送ってました。
「さあ、もう一息 頑張って」
大変上質・良質な作品に出会えた気がします。
観て良かった。
満足です。
※上映館の数が少ないのが、すごく残念。
◇ あれこれ
◆ジーンくん
目つきが 「焼肉店センゴク」 のモップ君みたいだな と
(漫画キャラです)
まあ、目の下にクマがあるところだけかも…(あと雰囲気?)
◆上映時間のこだわり
ポンポさんがこだわるの「90分」。
「子供はこのくらいでないと集中が続かないの」
で、帰宅してこの作品のことを確認。
上映時間 ⇒ 90分。 おぉ。有言実行。
◆上映時間の長い作品
は、確かに観るのがタイヘンです。 たとえば…
「アイリッシュマン」
Netflixで観たのですが、上映時間の長さと内容のバイオレンスさに
しばしば鑑賞中断しながら観ました。。。
これが90分なら子供でも… ( って、PG12でした… 汗 )
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ご都合主義が過ぎる気が
全体的によく出来た映画だと思いますが、主人公に対して全員甘過ぎだと感じます。
何の実績もない主人公に対して脚本、キャスト、スタッフを用意して、賞も狙える大作映画の監督をさせることに加え、そんな新人監督に対して関わる全員が優しく協力的であり、特に終盤主人公の我が儘もあって資金繰りが危うくなった際に、あるキャラが大変苦労して融資を引き出しますが、それら全て周りが自主的にやってくれている事であり、主人公は基本的にやりたいことをやっているだけです。
別に主人公が苦労してないとまでは言いませんが、社会人の視点で見ると如何なものかと思います。
特に試写会前の編集作業を一任されているにも関わらず、期日までに完成させられない事を直接聞かれるまで連絡も相談もしないのは最悪です。
いつか来るその日の為に
前からポスターで興味を持ってたので観賞
原作等は未見でしたが
Webコミックが元となった映画
感想は
なかなか見た目からは想像も
つかないような骨太な中身でした
映画製作を映画にするという作品は
今までも無かったわけではありませんが
こうした切り口の作品は新鮮でした
映画の都ニャリウッド(ほぼ〇リウッド)の
映画製作会社ペーターゼンフィルムに勤める
社会不適合レベルの映画オタクのジーンは
世界的名監督の孫で辣腕プロデューサーの
ポンポさんに見込まれて初仕事は映画の予告編から
新作の監督に新人女優と共に大抜擢されます
ポンポさんは見た目は少女ながら
「長い映画が嫌い」「女優が輝いていればいい」
「お涙頂戴よりB級おバカ映画で感動させる方がかっこいい」
など言ってる事はロジャー・コーマンや岡田茂
のようでなんとも説得力を感じます
そんなポンポさんがジーンの映画オタクとしての
映画の捉え方やポイントの絞れ方を見込んで
挫折した名指揮者が休養先で出会った少女との
交流から立ち直り再び帰り咲く新作
「マイスター」の監督を任せます
ジーンは自分にそんな事できないと最初は
躊躇しますが自分がなんのために映画の知識を
付けてきたのかを考えれば「映画を撮るか死ぬしかない」
と覚悟を決めます
その後は様々な助言やポイントをジーンは
受けることになり映画を作るまでの手間や
苦労といった部分をなぞるように進んでいきます
「八方美人に作ろうとするとぼやけた映画になる」
「誰か一人の為に作るくらいが輪郭がはっきりする」
「映画は現場の誰ものアイデアを取り入れてみんなで作る」
「でも取捨選択をするのは監督でいい」
など具体的なものが出てきます
そしてポンポさんが登場人物から撮る人まで
あて書きした脚本で撮影は順調に進んでいきあっさり
クランクアップします
そこからはWebコミックにはないオリジナルな部分
映像素材が出来たところで編集に入りますが
どうしても脚本にも素材にもなかったシーンが
ジーンの中に生まれ
それによって試写が遅れスポンサーが引いてしまい
資金元の確保に追われることになってしまう
などの非常にリアルな展開になっていきます
改めてこの辺で映画などの映像産業の本質的な
部分を感じました
拘りを捨てて納期を守った方がいいのか
悔いの無い仕上がりを目指すのか
というせめぎ合い
そして何より映画製作に投資すること
そのものがいかにギャンブルであるかという
部分も知ることが出来ます
こうした夢を追って成功するという部分
だけで終わっていた原作に加えてこうした
追加部分があったのは非常に深みが出たと
思います
手っ取り早くオタクになりたいとかで
早送りで映画見てウィキペディアであらすじ観て
みたいな若者が増えていると先日聞きましたが
それではオタク風にしかならないんでしょうね
(まあなる気は無いんでしょう意識高い系みたいに)
むしろコマ送りして見るくらい細部まで観察して
のめり込んだ人が映画を生み出して人々を感動させ
続けている現実に目を向けられる映画だと思いました
90分映画とは思えないほどの熱量
原作未読でした。(視聴後に買って読みました)
あらすじや前情報を全く入れずにとりあえず見てみた作品でしたがものすごい熱量の映画でした。
じっくり腰を据えて物語を進める映画ではないですが、軸を決めてそれにまっすぐ突き進むハチャメチャながらも大変面白い作品だったと思います。
演出面も大変面白く、シーンカットの手法から場面転換、構成の組み方など、様々な場面にわかりやすく技術が使われていて終始ワクワク、ニヤニヤしながら見ることができました。制作している映画のストーリーとジーン自身が重なるシーンのところとかはニヤニヤしっぱなしでした。あぁ、映画好き(演出好き)が作った映画なんだなぁと終始思う作品です。
ストーリーも現実世界に楽しみを見出せなかったジーンが、映画監督というものづくりの世界で成功するというベタな話ですが、物語を作るといううえでの葛藤や喜びをしっかりと盛り込んでいて大変良かったです。
降って湧いたような幸運やご都合主義展開が見受けられますが、私はこの映画はそれでいいと思いました。ジーンが映像編集するうえで必要なものを取捨選択していく過程を軸に置いている為、その他のお金が足りないからかき集めなきゃいけない、映像撮影をする際に役者との付き合い方を考えなければ、といった軸に不要な部分をご都合主義展開にしてしまったのはいい判断だと思いました。(そうしないと90分という尺に収まらないですし……
「幸福は創造の敵」現実が面白かったら別の世界を創造しようなんて思わない。クリエイターに必要なものは創造という幸福を求める貪欲さなのではないかと思う作品でした。
前情報は、見ないで!
20分長くなって良いから、もっと映画制作の難しさを映像の鮮やかさに逃げずに生々しく出しても良かったのかなぁと思いました。
90分が必要なのは分かるけど、好みの差が出るとこでしょうか。
私の場合、前情報でSHIROBAKOみたいなものをイメージして観てしまったので物足りなさがあります。
映画の制限時間があるなかではしんどいですよね…
リアルなドキュメンタリーに近い方が好きな人には物足りず、フィクションとしてストーリーの分かりやすさと派手な展開が好きな人にはピッタリな印象です。
ポンポさんが目指す映画のコンセプト通りですね。
前情報を確認しないで観るべきでした。
変に創作の難しさが題材に、、とか意識して観なければもっと楽しめたと後悔してます。
〝幸福は創造の敵〟
日頃、応援している清水尋也さんが初声優ということで鑑賞しました。
キャラクターの絵柄的にお子様向け?と勘違いしてしまいがちですが…
いえいえ内容はまさにクリエーター向け?という感じ。
本格的なものづくりのノウハウが見られます。
私個人としては見逃さなくて良かったと心から思えた映画。
敏腕映画プロデューサーポンポさん。
彼女の製作アシスタントをしているさえない映画通の青年ジーン。
彼と一緒に自分も映画制作に加わった気持ちになった。
その上、自分が新しくやりたいことのヒントももらえたし自分という人間の本質みたいなものについて気づかせてくれました。感謝。
〝幸福は創造の敵〟
ポンポさんがジーンに贈る言葉の一つひとつが秀逸!
ポンポさん語録を作りたいくらい言葉が胸に届きました。
杉谷庄吾さんのコミック版にも興味津々です。
う〜ん
元々、原作コミックが大好きで、その大好きなコミックが映像化されると聞き、ワクワクしながら封切り当日に行ってきました。
オリジナルキャラ追加という、一抹の不安を抱えながら…
前半から中盤にかけては、原作の通りに進み
原作では描かれていなかった、Meisterの撮影シーンを追加されていたり。原作の世界観が広がる演出がされていて楽しく観ることができた。
ただ、撮影が終わり編集の段階に入る所から大幅に原作から進路変更をしていった。
映像が足りないので映画が完成しない点。
原作では、ジーン君って作品を落とす事は1回も無かったのにキャラクター造形が変わってしまった。(わざと、完成品を差し替えた事はあったが)
次に始まる「半沢直樹」。
もう、オリジナルシーンが全体的に微妙
原作の世界観を映像に落とし込んで、広げていった中盤までと、それ以降で個人的には評価が全く変わる作品になってしまった。
原作厨と言われたらそこまでだが、やはり鑑賞前の一抹の不安は、その通りだったなぁ…と感じた。
原作の世界観を広げた中盤までと、全体の映像表現で星2にしているが、人にはオススメ出来ない
映画に携わる人々を描いたアニメ
映画に携わる全ての人々を描いたアニメは初めてでした。華やかな世界の裏側、映画が公開されるまでにどれだけの時間がかかるのか、お金がかかるのか、細かく描かれていてイラストのタッチが可愛いのとは裏腹な内容のギャップが良かったです。映画好きの私ですが、あまり裏側がどうなっているかを深く知ることはなかったので、こんなに大変なんだと初めて知りました。映画ってせっかく撮影したシーンを沢山カットされるとは知っていたけど、こんなにもカットするんだと...編集作業ってこんなにも大変なんだと感心しました。だからこそ90分に込めた内容の濃い映画なんだと知りました。
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