映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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全ての映画を愛するひとへ
映画製作の"要"は、どんな工程かはいろいろ考えられる。
だが、映画を観客に観せるに当たって、その映画を面白くしなくてはならない。
その為に"編集"と言う工程がある。
この作品では映画を"プロデュース"し、映画を"撮り"、撮り終えた後の"最大の戦い"を描いていた作品だった。
"映画界歴一年の若者"が、見習いからあっという間にプロデューサーの"ポンポさん"から監督に抜擢され、監督だけならまだしも編集も担当すると言う、映画界にとっては24時間耐久レースのような任を任されるのである。
思ってみれば、あの上田慎一郎監督もこのような作業をしたとなると、初監督・初長編と言うのは素晴らしい挑戦だと改めて感じるのだ。
だからこそ、この作品には観る価値があると思うのです。
オタクに向けた感動ポルノ
引っ越しのバイトを1日で逃げ出したオタクが、布団のなかで考えたサクセスストーリー的な内容で、登場人物全て良い人、ご都合主義全開の展開、「バイトから逃げたけど、僕は悪くない」と呟きが聞こえそうだが、いやお前が悪いから
ともかく、引っ越しのバイトは体力に余程自信がない限り避けた方が無難である。
ただ、同じ日に観た「閃光のハサウェイ」と言う凡作アニメより数段面白いのは確かである。
いつも思うが、アニメでシリアスな演技をしたり、激しい戦闘を描いても、しょせん絵なんだから意味がない。
観客を話に引き込む事とリアルな描写はイコールでなく、それはそれ、これはこれである。
嘘をつくのが下手な言い訳が、リアル描写になって何年たつだろう。
その点「ポンポさん」は、アニメ調全開のリアル描写ゼロの映画だが、話に引き込まれたし、アニメーションを見る楽しさに溢れた作品だった。
昔似た様な妄想したなと、苦笑い半分、照れ笑い半分の微妙な表情で映画館をあとにするのも、たまには良いだろう。
今もしてると言う人は、そのうちポンポさんが後ろ席に座っているかもしれない。
わたしも映画大好きせつこさん。
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天才映画プロデューサーポンポさんの元で働くジーンが、ある新作映画の監督を任され映画を作る話。
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映画オタクとしてはもうこんな映画大好きなんてタイトルつけられたら見に行くしかないんですけど、今作どっちかと言うと映画ファンよりそんなに映画に興味無い、人生を変えるような映画に出会ったことない人に見て欲しい。
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映画の魅力をジーンがベラベラ喋ってくれるので、めちゃくちゃわかりやすい映画の指南書という感じ。例えば、カット割りの工夫とか映画は色んな人が一緒になって作ってるんだよっていうのがも説明されてたり。
私は、ジーンと映画内の主人公アリアが重なっているのを視覚的に表現してるシーンが好きだった。映画って監督の超個人的な話なのに観客1人1人がこれは自分の話だ!ってなるものなのよね。そこが良いの。
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ただ、この映画内映画が全く面白くなさそうなのが問題(笑)実写ならこういう話沢山あるし、それがさらに有名俳優がやってれば見たくもなるかもしれないけど、この話をアニメでやられても別に興味ない。
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あとは、ちょっと銀行のシーンもわざわざあの場を世界に配信しなくても最初からネットに公開するだけで良いと思うし、編集の時に女優にそばにいられるの絶対邪魔だろとか思っちゃった(笑).
全ての人に刺さる
素晴らしかったです。クリエイターだけじゃなく、どんな職種の人にも刺さるとおもいました。途中から「霧島部活やめるってよ」とかぶってきて、主人公が神木くんで銀行の営業の人が東出くんと重ねてしまった。
特に自分はものづくりの仕事をしているので、ここまで情熱を持って仕事しているかと自分を見つめなおしてしまう。
編集という地味な作業をめちゃくちゃスリリングにみせる演出はアニメじゃないと出来ないシーンで震えた。もっとみんなに観てほしいです。
ジーン君は日本人?
映画が好きな方には言うことない作品ですね。
私も期待大で観に行きました。
が、その中で一つだけ違和感が。
それは、それは、君のことだよジーン君!
君はどう見ても日本人じゃないか(^o^)。
他のキャラは、名前に合ったキャラデなのに、君だけ浮いているよ。
目の下のクマが更に日本人っぼいし。
え?ポンポさんも違和感爆発のキャラじゃないかって?
いえいえ、彼女は存在自体がファンタジーだから問題ありません。(^_^;)
危なかった…
コロナの影響で映画館に行く習慣が完全に途切れてしまいスクリーンで映画を見なくなっていた。
そんな中、重くなってしまった腰を上げ辿り着いたがポンポさん。
キャラクターデザインが足立慎吾さんということでマークしていたがあと少し腰を上げるのが遅れていたら見逃していたと思う。危なかった…
感想はパワフルファンタジー映画制作映画!!!
とにかくパワフル!!!!とんでもない密度の作画にぶっ飛んだ演出!!そこで流れる素晴らしい音楽!!!!
これはアニメでしか見れないファンタジー!!!!
なのにキャラ達がぶつかる問題は妙にリアルで感情移入しまくり
バランスタイプでパワータイプそんな映画だと思いました。
あぁ…スクリーンでみる映画ってこんな幸せなんだなと再認識させてくれたポンポさん
とてもエネルギーを貰いました。
意外と真面目な映画だったw
絵柄からコメディ系の映画かな?と思っていたら、意外と真面目な映画でしたw
絵柄と内容にギャップがあるので、最初は戸惑うかもしれませんが、凄く面白かったです。
ただポンポさんの理想である90分の映画が理想というのには、異議あり!
私の理想は120分以内で、体感90分の映画こそが理想の映画だと思います。
この映画に「も」決定的に足りないものがある!
6月のアニメ映画と言えば毎年密かに楽しみにしているものがある。
ゴールデンウィークと夏休みの谷間。
行楽シーズンとは全くの無縁のどんよりとした梅雨曇のさなか。
いつしかこの時期の個性的な作品が密かな楽しみとなっている。
大型タイトルを避けるように粒ぞろいな秀作が集まるのもこの時期。
「ポンポさんにおまかせ!」そんなキャッチーなセリフとインパクトのあるキャラで予告編を見ただけで期待が膨らむ。
まさに雲の隙間から一筋の光のようにひときわ異彩を放つ作品である。
ムビチケと特典を手に入れ小雨降る中映画館へと急ぐ。
見終わった感想としてはとてもいい。
いい映画を見たな、見てよかったと思える作品だった。
興行的にも満足の評価が得られたのではないかと思う。
以下戯言。
ポンポさんから映画のうんちくを聞けたのはよかった。キャラとしては最高。こんな貫禄のある女の子が男顔負けに映画を語るのはアニメ特有の表現である。
しかし見終わった後ふと疑問に感じることがあった。
主人公は誰。
ポンポさんが映画を作るのではなかった。あくまでも「プロデューサー」。
物語を動かしたのは監督となったジーン。そして銀行屋のアラン。
この二人の活躍でハッピーエンドを迎えている。
監督として様々な困難を乗り越え、作品に情熱を注ぐジーン。
冴えない青年として頼りない一面がありながら、日々の努力は怠らない。好きなものには徹底的に取り組むタイプ。
このキャラ作りはとてもいいと思う。しかし、彼の才能を目覚めさせるきっかけが乏しい。
そのトリガーとなるのが主人公であるポンポさんの役割ではないのか。
そして彼に触発されて後半の美味しいところを全部持っていったアラン。
彼もまた勉強はできるが仕事ができないという欠点を持つ。会社に失望し仕事を辞めようかとすら考えていた彼がいきなり大仕事をやってのけるのも、本来はポンポさんがきっかけとなるべきだろう。
編集メイン。
銀行屋メイン。
ポンポさんはあくまで脇役
こんな絵面で、肝心の主役が誰なのかわからない。
どうしても角川が作るとオタクのコンプレックスみたいなものが前面に出過ぎてしまう。冴えない青年、仕事に悩む青年、うちの視聴者層はこんなタイプのオタクが多いだろうから、そういった人間が活躍する話にすればウケるに違いない。そう思ってはいないだろうか。
王道でいいのに。
冴えないオタクキャラが輝いて世に認められる、それはそれでいいし努力が報われるのは悪い気分はしない。しかしあくまでも脇役キャラが前に出すぎてしまうと物語のメッセージが変わってしまう。
あくまでもポンポさんが主人公で、ジーンが行き詰まってしまうところを喝を入れるとか、銀行を回って資金を集めるとか、ポンポさんに触発されて周りの人が変わっていく様がこの物語には必要なのではないのか。
せっかくこれだけカリスマ性のある輝いているキャラクターなのに、どこか霞んでしまったのがとても残念。
彼女はきっかけを与える重要人物でないと。
幼い女の子が世の中を動かす超ミラクルを起こす、というのが私の求めていたもの。
もちろん初監督に抜擢したジーンがいきなりアカデミー賞というのはミラクルである。しかしそこには彼のたゆまない努力の賜物であってポンポさんは存在しなくても変わらなかったように映る。
このシーンがなくても成立するんで……
むしろ映画が失敗してもみんなが頑張ったからよかった、みたいな展開でもよかったのでは。
この作品には決定的に足りないものがあるんです!
これはメタフィクションなのか。
とてもいい作品だと思ったが、これではジーンとアランのBL物語になってしまう。
とても恵まれたキャラクターから残念な脚本という、少し悔しい思いが残る作品だった。
映画は90分!
幼女プロデューサーのポンポさんなんて、地雷臭がプンプンしましたが、映画愛溢れる作品でした。
劇中映画も、多分良いできなんだろうな~という説得力があり、映画製作の楽しさと狂気が良く表現されていました。映画好きでアニメが苦手でなければお勧めです。
90分のチカラ
普段あまりアニメ映画は観ないけど、今まで見た中では断トツでおもしろかった。
リズミカルでシンプルなストーリー展開で最初から最後まで1秒たりとも無駄なシーンがなかった
そうか、これが90分のチカラか。
前々から個人的にも短い作品を好んでいたのは、少なからずポンポさんのセンスが自分にも宿っていたということで笑
72時間のフィルムを切って切って、それでも溢れてさらに切って極限まで削ぎ落とした90分。
人においても72年間の生涯のうち、その人として本当に輝いてる時間は18ヶ月しかないのかもしれない。
レビューを長く書けば書くほどこの作品を汚してしまうような感覚にさえ陥る為、最後に一言。
もれなく映画館で観てほしい。
以上。
モノ作る人の地獄と天国を
原作漫画をどこかでチラリ、読んだ程度。
いわゆるお仕事モノだと思われるが、
やはりモノヅクリ、それも映画となれば特殊だ。
そのアートな側面とビジネスとしての側面と、個人の能力とチームの力を
苦悩と成長の物語として
本当に分かりやすく、そしてエキサイティングに仕立てた作品だった。
これは「物語を作る人」ならまずもって、見るべき。
キャッチーな外見だからこそ耳にするり、と入ってくるポンポさんの名言は聞き逃せない。
(おそらく外見がオジサンだったらば高圧的、上から目線ばかりが強くなったに違いない)
初監督に縮み上がりながら奮闘する主人公には共感の嵐が吹く。
(私は監督する予定はありませんが)
中でも一番胸アツだったのは、編集パートだろうか。
選ぶということは、大事なもの以外を捨てること。
捨てる作業が編集なのだ。
それまでの情熱をここで一気に冷やし、
論理的に進める作業に宿る確信こそ、作品へ魂を吹き込む。
それにしても「バクマン」もそうだったが、
監督を務めた主人公はここでも大詰めで倒れている。
命を削るほどだからこそ、素敵な作品が出来るのかと思えば
見る方としては切ないな、と思ってみたり。
そして作中のセリフには監督、庵野さんがかつておっしゃっていた言葉とも被る所が多く、
そちらもやはり、と思ってしまった。
追記
のち、ピクシブで公開中の原作を読む。
スキだと上げた編集パートのほとんどが原作になかった。
(他にももうワンシーン、明らかにない部分がある)
後付けにもかかわらずそこが一番、アツかったというのは、
まさに映画化して「勝った」のだなぁとしか思えない。
アッパレ。
おしいんだよぉー!
そうですねぇ。
前半あんまり面白くない。中弛みがある。
後半は同級生の銀行員君が仕掛けてからがずっとストーリー楽しめた。
90分にまとめたのはいいのですが、なんかこうパッとしない映画なんですよね。
演出はとても綺麗で素敵でした。
しかしキャラ達がこうなんていうか生かされてない感じが微妙でした!
ヒロインの女の子もなんか凄い事をしたのでもなく
本を拾っただけの同級生もいきなりでてきて活躍し始めるしなんというかもっと過去の話とかあればまた面白い話になったかもしれないです。
何も内容を見ないで見に行ったので最終的にはなるほどとなりましたが一度見たらもういいかなぁ?という感じでした!
良かったところは音楽がどれも良かった!
あの作品に合ってました!早速ダウンロードしようとおもいました!
『切る』ってところの演出とキーボード打って編集しまくってるシーンと友達が銀行員と戦ってる所が良かったなぁ!
なんかポンポちゃん明るく元気でいいんだけどもっとこうガーっと意外性なキャラだったら面白かっただろうなぁー。
と偉そうな事語ってますが映画見た後そんな気分でした。
後半は良かったです!
キャラデザインとストーリーがチグハグ(T_T)
足立さんのキャラデザインがカワイイく、周りの評判も良いのでもしや… 掘り出し物?と思い観に来ましたが。
ストーリーとコミカルなキャラデザインがチグハグでストーリーに集中出来ず。
まずポンポさんが天才プロデューサーのデザインじゃ無いし、主要キャラのみアニメ顔で他はリアルな顔、TVならまだいいけど…
ストーリー自体も当たり前の方向にしか進まず意外性も無い。
映画館で観るほどの物ではありませんでした。
『映像研には…』的な制作ハウツー物にしたかったのかな退屈だった。
90分しか経ってなかった
制作現場を描いたアニメは、SHIROBAKOや映像研が思い出されますが、それらとはまた異なる感覚。
テレビシリーズなしの映画だけで魅せるキャラクター.
本編でもかなり力説されているメッセージ性、
没入感を上げる、アニメならではの特殊演出、
アクセントとなる主題歌、
そして何よりも、映画と作内映画がリンクし、さらに自分にも語りかけてくるような、不思議かつゾクゾクする感覚がたまりませんでした。
これらを90分で表現しており、タイトルに恥じない完成度でした。
今まで、2時間があっという間だった、という映画はあっても、これだけ満足して90分しか経ってなかった、という映画ははじめてでした。
今年見たアニメ、映画のなかでも、お気に入りになりました。
映画好きにはたまりません!
当初、ノーマークでしたが、気付いてすぐ予約しました。
とても面白かったです。
新人監督、偉大な脚本家、大物俳優、新人女優、銀行員とみんな大活躍でした。
映画を造る楽しさが伝わりました。
映画好きの方は、是非ご観賞ください。
リアリティレベルの調整は見事
武道や芸事など「道」の修行において、我が国には「守破離」という言葉がある。
習い始めからそこそこ出来るようになるまでは「守」
先達が作り上げてきた「型」を守る事こそが効率的な最短の学びを得られる。
かろうじて、それなりの仕事が出来るレベルになれば次は「破」だ。
型を破ることで、様々な応用や試みを自在に利かせられるようになっていく。
プロを名乗れるのは、せめて「破」に到達してからだろう。
そして、数多のプロの中でも「一流」と呼ばれるレベルになる一握りの人間は「離」の段階に到達する。
型を離れ、完全にオリジナルの新たな流派を切り拓いていくのだ。
※(この先、酷評してますので、本作が気に入った人は、ここで読む事をやめるのをお勧めします。)
本作では、ポンポさんの台詞を始め、印象深いフレーズが多数登場する。しかし、それらはあくまで「守」の話である。
最近、明らかに「離」のレベルにある優れた作品達に対して「映画を知らない駄作」「王道を外し、捻り過ぎ」「セオリーと違う」と酷評するレビューを多々見かける。
守の型を振りかざし秀逸な映画作品の価値を貶める若者が、本作によって今後、益々増加したならば、その功罪は相半ばすると言わざるを得ない。
(しかもね。ポンポさんは全部が全部、正しいという訳じゃないよ?結構、独善や暴論も入ってるよ)
博識なレビュアー様が書いておられたが、ニューシネが嫌いなシネフィルがいるだろうか?(反語)
とすれば「90分」は鵜呑みにしてはいけないのだよ、決して!
(もし、原作者や監督が「本気で」90分に拘っているのならば、語るに足らん。一応、本気ではないだろうと良心的に思っておくけどね。
究極・至高への道はもちろん「ギリギリの限界まで削ぎ落とす」事で生まれるが、それは断じて「90分に収める為」ではない!)
素人ならばともかく、この映画を名作などと呼ぶプロレビュアーの評論は信頼が置けない。
星は辛くつけたが、もしも対象年齢が高校生・大学生以下限定であれば星4にしても良いかもしれない。
まぁ、NHK教育の「はたらくおじさん、映画を創る人々」ってとこだな。
(ジェンダー絡みで、→はたらくひとたち→みんなのしごと、に変わったんだよな)
学生の映研や、或いは大人でも盆と正月、年に2回くらいしかシアターに足を運ばない人達なら面白く鑑賞出来るかな?とは思えた。
本作で、唯一、褒められる点は「リアリティレベル調整の見事さ」であろう。
キャラクターは皆、基本的にリアリズムに寄せた描き方をされているのだが、ポンポさんだけが非常にアニメチックな非現実的キャラであるところがミソだ。
基本的にこの作品は面白くなる要素を悉く外している。キャラクターは深掘りされる事なく非常に記号的で魅力がないし、ご都合主義的過ぎるし、トラブルの予兆もないのでスリルもカタルシスもない。
だから、もしもとことんリアリズムに寄せて描いたとしたならば、多くの観客がこのようなノイズに気付き、違和感を覚え、評価を下げるだろう。
ところが、ポンポさんというキャラのみを「非現実的」に設定しておく事で、作品全体のファンタシー要素が強くなり、ご都合主義や予定調和も気にならなくなってしまうのだな。
実写に比べ、始めからリアリティレベルの低いアニメ作品は、リアリティレベルを上げる方が名作の評価を得られやすいが、本作は敢えてリアリティレベルを下げる事で、作品全体に生じる不協和音や至らない点をカバーしてしまっている。
美味しんぼに登場するハンバーガーの話ではないが「バンズのレベルが、パティのレベルに見合わず、かつ、バンズレベルを上げる事が出来ないならば、いっそパティのレベルを下げた方が、完成したハンバーガーとしては質が良い」という好例だな。
(誤解無きように補足しておくが、リアリティレベルは高ければいいってものでもない。高過ぎるとかえってアートに寄ってしまい、理解を得られにくくなる場合もある。重要なのは「バランス」だ。)
もし、この効果を原作者が「狙って」行ったのだとしたら、そのセンスは賞賛すべきだが、でも他の部分を見ていると「偶然、まぐれ」の結果という気がしないでもないんだな。まぁ、凄い事は凄いので、星一つ増やして2にしようと思う。(U-22じゃないからねぇ)
「90分」について言いたい事は山ほどあるが、2つだけに絞る。
まず「人間の集中力」というのはあくまで平均を指し、鑑賞者のターゲットを非常に広く取った場合。つまりA級映画の話になるが(本来のハリウッドにおけるA級、B級区分の話であって、日本でなんとなくB級グルメなどと使われるような格付けの意味ではないよ)ポンポさんが、これまで好んでB級作品と関わってきた事実と矛盾する。B級作品ならばこそ短尺・長尺に拘る事なく、もっと自由な表現が可能になるはずだ。
また「映画の中になるべく浸っていたい」「長ければ長いほど映画の中にいられる」という感覚もよくわかる。ニューシネ好きのジーンが「MEISTER 」を「90分だから気に入っている」というのは、どうしてもピンとこない。まぁ「ポンポさんが好むもの」を作ろうとする心情はわかるがね。
そもそも、原作そのものが90分も必要としないだろう。アランの絡み、要らんと思うし。削ぎ落とすんじゃなくて、無駄に引き伸ばし、引き伸ばししてるんじゃ、90分ピッタリに作るのも簡単だよなぁ。
削ぎ落としがクライマックスならば、いっそ45分程度に仕上げてもらいたい。
3月に観た「ネズラ1964」は53分だったな。「ダンボ」の64分も極めて優れた削ぎ落としだぞ。2歳児の集中力にはちょうど良い。
本作もそれくらいで充分だろう?
ともかくも「守の型」ならぬ「ポンポ節」に固執する「映画大好き」さんが増えない事を祈るよ・・・
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