「壁ではなく橋を!」2人のローマ教皇 spicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
壁ではなく橋を!
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教皇選挙つながりで鑑賞。
本作は、この春逝去の故フランチェスコ教皇がその前任の教皇ベネディクト十六世と二人で会談の機会を持ったという事実から想像を拡げ、二人の教皇がじっくりと話し合ったらこんな会話になるのでは、という会話劇によって二人の教皇の人物像(特に故フランチェスコ教皇)を浮き彫りにした作品。
ルネサンス期にローマカトリック教会に認定された、世界伝道と質素な暮らしを追求する修道士集団のイエズス会だが、教皇を輩出したのはフランチェスコ教皇が初めて。また、南北アメリカ大陸初の教皇でもあった。さらに、アルゼンチンの司教として軍部独裁政権下暗黒時代を乗り切ったものの、政権崩壊後はその対応を糾弾され、僻地で一宣教師から再出発、やがて「壁を作るより橋を作れ」と言った分かりやすい積極的なメッセージを送ることのできる人物になったことも描かれていた。
おじさま二人の会話にこんなに引きこまれたことはないかもしれないw。また、作品中のシスティーナ礼拝堂がローマの撮影所に作られた実物大セットだと記事で読んで驚いた。凄すぎ!この後に作られた作品「教皇選挙」でも使われたってことはないのだろうか。このセット、まだあるのなら見に行きたいくらい。
さて、この春、「ローマ法王の休日」、「教皇選挙」、「二人のローマ教皇」と三つ見たが、それぞれ視点が違って面白かった。
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