「妥協と変化」2人のローマ教皇 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
妥協と変化
馴染みのない世界ではあるが、様式のディテールの描写に別世界に誘われる。頂上に居る2人の語り合いは緊張感が持続し、その中で交わされる会話の質の高さにグッと引き込まれてしまう。高齢の2人、頑固であって当然のはずが、なぜか波長があい邂逅する。その安堵感はひとしお。優しい気持ちにしてくれる。
人は老いても変わることができると説く。懺悔と赦しという宗教的モチーフを使って、変化する勇気を鼓舞する。実に清々しい。現教皇の懺悔を通して、その普遍性が尊ばれる。
ウィットに富んだエンドロールは大好物である。観終わった感の満足感が増す。挑戦的な舞台設定を自由に扱うNetflix 。最近立て続けに名作を生んでいるが、象徴的な一本かもしれない。
コメントする