「ホシもチキンも揚げろ!」エクストリーム・ジョブ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ホシもチキンも揚げろ!
映画では時々“偽装”でウケる事あるが、本作も然り。しかも、
韓国で歴代興行収入1位を記録するほどの商売大繁盛!
失態続きのコ班長率いる麻薬捜査班は、解体の危機。
出世した後輩から麻薬組織の大物の情報を掴み、これが最後のチャンス。
アジトの前にある潰れかけのフライドチキン店で張り込みするも、なかなか捜査は進展せず。
そんなある日、組織の下っ端が時々チキンを買いに来る事を知る。が!店はもう閉めるという…。
そこで閃いた案は、店を買い取り、張り込みの為の偽装営業。
そしたら、オリジナルレシピのチキンが評判を呼び、店は大繁盛。捜査どころじゃなくなって…!?
刑事としてはダメダメなのに、店を開いたら大人気に。
ひょっとしたら刑事より、商才の方が向いている…?
いや!そんな事は無い!
俺たちは刑事だ!
フライドチキン店は犯罪者を欺く為の単なる隠れ蓑だ!
刑事の仕事や誇りを忘れるな!
ガチャ(←お客様が入ってくる音)
ハイ、いらっしゃいませ~
こちらにどうぞ~
何に致しましょう~
熱血空回り、真面目空回り、男勝り、ブサメン、若造…
冴えない面子の集まり。
そりゃあ失敗もしないで職務も犯人も完璧に片を付けるエリートの方がカッコイイけど、この5人がどうしても嫌いになれない。
いや、と言うか、共感たっぷり。愛着もたっぷり。
個人的に、マ刑事が絶品! ブサメンだけど、厨房を任されるほどチキン作りとオリジナルレシピの味ピカイチ。さらに、柔道に長けて腕っぷしもピカイチ!
あまりにも店が大繁盛し過ぎて、捜査に手が回らない。
捜査をしているのか、チキン店を経営しているのか。班のムードはピリピリに。
値上げや一日限定数にしても客足は衰えず。寧ろ、より名店に。
が、取材NGにされたTVプロデューサーの逆恨みで悪徳店のレッテルを貼られた事から…。
警察署長にバレ、定職。
班長は退職金を店買収に当てており、回収出来なければ妻から離婚…!
警察を辞し、チキン店経営に専念する決意をする。
そんな班長に、班のメンバーも。
チキン店経営として再出発した矢先、思わぬ展開が。
麻薬組織からチェーン店展開の申し立て。表向きはそれ、本当の狙いは麻薬運搬。
知らぬ間に片棒を担がされ、その事実を知る。
健全なチキン店経営をやり直し始めたばかりだというのに…。
再び、刑事の血が騒ぐ…!
韓国の犯罪モノ、捜査モノはシリアスなサスペンスやアクション多いが、本作はコメディ。
その為思わぬ展開やピンチにハラハラドキドキ感は無いが、本当に軽快でテンポよく楽しめる。
5人のやり取りもユーモラス。
麻薬組織の面々も少々おバカ。まあ、コメディだから大目に見て。
だけど元締めは冷血で、その女ボディーガードもメチャ強いS。
何故この5人は班を組み続ける…?
班長を家長とした家族のようでもあると同時に、実は一人一人が凄いスキルの持ち主の集まり。
それが語られ、5人の少人数で麻薬組織の大人数をバッタバッタぶっ倒していくクライマックスのアクションは痛快!爽快!
この時の彼らは、超カッコイイ刑事!
ホシもチキンも揚げろ!
名店刑事!
『グリーンブック』もそうだが、やはり見たら食べたくなる。特にあの“水原カルビ味”を。
ネット上ではレシピも公開されてるようだけど、ちと面倒臭そう…(^^;