劇場公開日 2020年1月3日

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「愛すべきボンクラたちがキチンとカッチョイイ作品。」エクストリーム・ジョブ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛すべきボンクラたちがキチンとカッチョイイ作品。

2020年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

良かった。

兎にも角にも面白い! たのしい! 大好き!
ウダツのあがらない麻薬捜査班の面々が獅子奮迅…が、全て裏目に出る間抜けな結果に。最後のチャンスに賭けた捜査班 班長が捨て身の一手を打つが……のドタバタ劇。冒頭の空中ブランコ連荘&バス殺法の段階でグググッと心を掴まれ、次から次に畳みかけられる間抜けで楽しいエピソードの数々に終始ゲラゲラ笑いっぱなし。馬鹿楽しい。

特筆すべきはキャラクターの丁寧な描写。
冒頭は男女の違いしか分からなかった麻薬捜査班5名が、中盤以降は各々の特性を深く理解して『コイツだったら、こうするだろうな』が構築され、想定通りに行った時には一人頷き、嬉しい裏切りに目を見張ったりと…キャラクターを多面的に描くエピソードの豊富さと丁寧さにグッときました。
気が付けば、麻薬捜査班5名全員が好きになる。中でもリュ・スンリョン演じるコ班長が最高。絶妙にショボくれた佇まい、哀愁すら覚える背中の寂しさ、中間管理職が故の困った表情、金を目の前に欲望に負ける人間臭さ。常に何かに困っているような雰囲気を出しつつ、決めるべき時は決める、守るべき“家族”は必ず守る。その古き良き家長的な存在を、この現代で背負うコ班長が凄くイイ。

また話の構成も秀逸。
潜入捜査の一環で始めたフライドチキン店が、或る人物の意外な背景と閃きで想定外の大繁盛。本来の目的を忘れて“フライドチキン店員”の誇りを抱き客商売に精を出す。物語の縦軸には“フライドチキン店”があり、闇の勢力による暗躍に対して、あくまでチキン屋としてどう対処するか!?という頭になっている所……ズドンッと放り込まれる起死回生の一撃。
終盤、キチンとカッチョイイ。警察署内での冷遇、フライドチキン店での翻弄。これら全てを覆すジャイアントキリング。愛すべきボンクラたちがスクリーン狭しと大活躍する姿に胸が熱くなり、その爽快感に痺れました。

愛すべきボンクラたちがキチンとカッチョイイ本作。

ゲラゲラ笑いながら、終盤不覚にも胸が熱くなる…嬉しい裏切りが楽しめます。
オススメです。

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Opportunity Cost