劇場公開日 2020年6月12日

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「エゲツない下ネタが炸裂するハリウッド版『パンツの穴』」グッド・ボーイズ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エゲツない下ネタが炸裂するハリウッド版『パンツの穴』

2020年6月28日
iPhoneアプリから投稿

『ワンダー 君は太陽』、『ザ・プレデター』等々感動作からバカ映画までイイ仕事しかしない少年、ジェイコブ・トレンブレイ君の新作。

小6のマックス、ルーカス、ソーはビーンバッグボーイズと名乗るバカトリオ。マックスは同級生のブリクスリーに絶賛片思い中。そんな折同級生からパーティに誘われたマックス、そのパーティにはブリクスリーも来るし、キスゲームもあるぞと聞いて即OK。しかしよくよく考えたら誰もキスをしたことがないビーンバッグボーイズはあの手この手でキスの仕方をリサーチするが・・・からのドタバタ学園コメディ。

『グローイング・アップ』、『ポーキーズ』、『初体験/リッチモンドハイ』、『アメリカン・パイ』等々昭和から脈々と続く下ネタメインのバカ映画の主人公の年齢をグッと下げるというありそうでなかったアプローチを取る本作ですが、下ネタのレベル感は据置なのでPG12指定。ということは小学生は保護者同伴じゃないといけないわけですが、これ小学生には解らないレベルのエゲツない下ネタしか出てこないので、正直保護者の立場では連れて行きにくい内容となっています。これでもかと出てくる大人のオモチャの数々は「これ何?」って訊かれてもそう簡単には答えられません。

しかしそんなシッチャカメッチャカの向こう側に透けて見えるのは両親の離婚やイジメといったいつまで経っても消えてなくならない社会問題、見栄や奢りや妬みに振り回されて疲弊する逃げ場のない子供社会といった辛辣な風刺もしっかり効いていて、キスがどうしたこうしたの喧騒の向こう側にしっかりと着地する結末に胸が沁みる感動がちゃんと待っています。

そしてこんな作品のBGMにはロックが不可欠、ジューダス・プリーストのアノ曲がかかるシーンでは爆笑しながら鳥肌が立ちましたし、個人的には聴き飽きてしまったはずのあのバンドのアノ曲には不意を突かれて号泣しました。何気にロックミュージカルの『ロック・オブ・エイジス』への壮大なリスペクトも滲んでいるのでロック好きと下ネタ好きは全員観なあかんやつです。これでもかとブチ込まれた下ネタの絨毯爆撃の果てにあり得ない展開が空から降り注ぐ日本映画の至宝『パンツの穴』のハリウッド版と呼びたい痛快作品です。

よね