劇場公開日 2019年11月29日

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「史上最愛のもっこり実写!」シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5史上最愛のもっこり実写!

2020年4月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

フランスにも、あの男は居た。
とある伝言板に依頼を書き込むと、現れる。
美人がもっこり大好きな困ったスケベ。
が、依頼は必ずやり遂げる。噂通りの超腕利き。

そう、シティーハンター!
その名は…、ニッキー・ラルソン!
…え? ニッキー・ラルソン!?
冴羽リョウじゃなくて?

日本で大人気を博した『シティーハンター』は1990年代にフランスでも放送され、同じく大人気に。
その一人に、本作の監督兼主演のフィリップ・ラショー。少年時代、夢中になって見てたとか。
そんな好きが興じて、映画人となった今、オリジナルの脚本を書き、原作者・北条司に直談判したところ、原作者を唸らせ念願叶って映画化!
ヲタクにとっては夢のような話!

…でも、フランスで実写化なんて大丈夫…?
どうしても、あのある意味伝説的なハリウッドの『DRAGONBALL』がよぎってしまう…。
そんな不安は無用だった!
フィリップ・ラショー、『シティーハンター』の筋金入りの大ファンのマジLOVE者だった!
このLOVE度は紛れもなく惚れ薬などではない!

日本でも公開前から話題騒然だったキャラの再現度。
一応フランス映画なので、リョウは前述の通りニッキー、香はローラという名称になっているが、その雰囲気が、フランス人役者が日本のコミックのキャラを演じる?…なんて疑問が不思議なくらい違和感が無くなるほどハマっている。
また、原作設定ではリョウは日本人または日系人ではあるだろうが国籍不明となっている為、この日本人離れした風貌もそう違和感無い。
日本のTVドラマ『エンジェルハート』でリョウを演じた上川隆也も見事ハマってたけど、ラショーも負けていない!
そうそう、海坊主なんて思わず笑っちゃうくらい激似! これはヤバイ…!(笑)

再現度はキャラだけじゃない。
『シティーハンター』の魅力と言ったら、アクションとギャグ。
まず、ギャグ。
ラショーがフレンチ・コメディの俊英なだけに、もうお手の物。
おバカ、お色気、下ネタ笑いがもっこり!
ニッキーとローラの軽妙なやり取り(実生活では夫婦)や、あのお馴染みのハンマーも勿論!
ナンセンスギャグは下らないくらい。(←一応これ、誉め言葉)
本作オリジナルのおバカキャラ二人がいい迷惑。(←一応これも誉め言葉)
ギャグに走り過ぎてただのおバカ映画になりそうなところを、なかなか冴えたアクションが魅せる。
廃車場での主観アクション、ベッドを引き摺ってのカーチェイスなどハチャメチャなアクションありつつ、超距離射撃やクライマックスのニッキーとローラのタッグ・アクションはクール!
笑わせるところは笑わせ、キメるところはキメる。
これこれ、これぞ『シティーハンター』!

そんなアクションやギャグが楽しくて、ストーリー性はまああって無いようなもの。
あるテロ組織に狙われる効き目抜群の惚れ薬である香水を巡っての騒動や危機。
でも、ニッキーの元相棒トニー(原作の秀幸)の死と、そのシチュエーション。
今回の依頼には、実は…。
そして、『シティーハンター』の最たる魅力と言っていいヤキモキ微妙な関係。
毎日毎日喧嘩ばかりだが、誰よりも大切なパートナー。いや、それ以上。
必ず守る。亡き親友の為に誓ったのではなく、本心は…。

本当に見事だよ、ラショーさん。
難点が全く無いって事は無いが、それでも上々のエンタメ!
フランスからやって来た実写『シティーハンター』!
日本のコミック実写よ、見よ。これが、実写化だ。
ジャッキー・チェンの『シティーハンター』よ、これが『シティーハンター』だ。

尚、本作、“デラックス吹替”で見るのがオススメ。
ちゃんとニッキーは“リョウ”、ローラは“香”になってるし、
声はアニメの神谷明&伊倉一恵ではないが、二人の推薦で当代きっての山寺宏一と沢城みゆきが担当。これもまた違和感ナシ!
神谷と伊倉はSPゲストとして、爆笑な役所の吹替で参加。
劇中では、アニメの曲も使用。EDは言わずもがなあの名曲! やっぱ堪んねぇ~!

アニメ30年だった昨年。
久々に劇場アニメの新作が公開されただけではなく、これほど愛溢れる実写版も!
『シティーハンター』の人気は変わらずもっこり!
そして、本作の続編ももっこり待望!

近大